- 2006年05月06日(土) 山頂の幸福 久しぶりに山にのぼったので、右足の裏にビキビキきている。 それ以外はどうってことない。最近ものすごい運動不足だったのに。 ……明日が怖いな、きちんとマッサージしよう。 午前10時に入山、下山したのが午後5時だった。 八界山、剣ガ峰、大入道と尾根づたいに走破。 まだツツジの花も咲かない、新芽の吹いたばかりの殺風景な山だが、 そんなのは問題ではない。山頂で私はある限り幸福だった。 山に登る者の幸福はどこにあるのか。 視界の開けるパノラマの一瞬か、風に吹かれて食べる弁当か。 珍しい花や植物、木の間にかいま見る優美な山の生き物の姿か。 私はただ、沈黙だけを求める。 沈黙とは無音のことではない。 そうだ、遠くの梢を風がわたってゆく。 声高なウグイスが一声あげる。 どこか遠くの藪が少しばかりさざめいて、若い鹿が斜面を降りてゆく。 黄金のごとく豊穣な沈黙の中にある時間だけが「生」に属すると、 そうも言いたくなるほどだ。 ある老いた男が、年齢を問われて言った。 「1時間」と。質問者は驚いて聞き返す。 すると男は悠然とほほえんだ。 「きみ、お若い友よ。 ずいぶんむかしのことだ。 ある園遊会のさなかに不意の雨が降って、 わたしは、深く思っていた少女に傘をさしかけた。 それからの1時間、少女とともに言葉も交わさず過ごした1時間、 そのときだけ、わたしは本当に生きていたのだよ」 私の答えはも少し長い。 あああ。あとはまー、仕事のことを忘れてられたら、か。 仕事で山に登るもんじゃーないや。(めそ) -
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