- 2006年03月20日(月) 私がマルクク書くとしたらこんな感じ。 マルチェロが超鬼畜、ククールが超乙女。 「素晴らしい武勲でございました。国には平和が戻り、民は安らいでおります。我が王はこのご恩をけっして忘れることはございませんでしょうぞ」 騎士団長は気楽に円卓で隣り合って座り、何度目かの礼を述べる大使ルベルに向かって微笑してみせた。その率いる聖堂騎士団が、西方の王国アスカンタの平野を侵していた魔物の群れをことごとく殲滅したのはわずかに二カ月前のことだ。 騎士団長は手ずから器を取って茶を注ぎ、隠密裏の賓客に湯気の立つ椀を勧めた。マイエラの名産という茶葉は華やかな香りを浮き立たせている。 「我らは法王聖下のもと働いているにすぎません」 「いやいや。騎士がたお一人お一人の勇気に頭が下がります。特にあの、銀髪の若い方はククールどのとおっしゃいましたか。あの方のおかげで何人の民が命を助けられたか知れませぬ」 わずかに、ほんのわずかに騎士団長の表情に影が差した。それとも何も怒らなかったのか。いずれにせよマルチェロは穏やかに答えた。 「あれの武功については、こちらにも報告が及んでおりますよ。望みの褒美をとらせることになっております」 「まことに、あの方は素晴らしい軍功をたてられました」 「その武勲に、その望みがふさわしいとは私は思わぬのですがね」 「ほう?」 騎士団長の意図をはかりかねたよう、大使は頸をかしげた。 「つまりこういうことです。あれは私の寝所に今夜、参ります」 聞かされた言葉に大使は眉をひそめ、聖堂騎士団長を見上げた。 「確かにあの方は美しい。しかし…血を分けた弟君を閨に迎えるとは」 マルチェロはゆったりと座り、少しばかり意外なように、あるいは不快を覚えたように、いらだたしげな微笑を唇にのぼせた。 「あれがそう望んだのですよ。褒美にぜひ、とね」 「しかし、団長どのはどうお考えで」 マルチェロは辛抱強く、両手の指を組んでまた笑った。緑色の目はもはや凍てつく北方の海の氷のように酷薄であった。 「どうでもよいのですよ、閣下。夜目にはどの猫も黒く見える」 それから、あまりに端的すぎたと考えたのか、素っ気なく付け足した。 「それ以上のことではないのですよ」 大使ルベルはもう何も言わなかった。老巧な政治家の常として、わずかもその内面の思いや知っていることを顔にあらわしはしなかった。だがさきごろ、回廊で会った美しい少年の切なる思いを秘めた眼差しを、ひどく哀れに思わずにはおれなかった。 今にも泣きそうな薄青い目を罪の重さに耐えかねるよう伏せて、消え入りそうな細い声で彼は言わなかったか、たった一度でいいんだ、と。 たった一度でいいんだ。それで俺は、命だっていらないんだ。地獄に落ちたって、かまわないんだ。たった一度、兄貴に――… ルベルは小さく嘆息した。 娼婦でも抱くようにククールを抱くマルチェロ。 というかこのマルチェロ、ヘマしないで法王になってるな、きっと。 都内潜伏中。ちょっといいことあった〜 -
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