- 2006年01月06日(金) 今朝の最低気温はマイナス7.5度でした。 寒いよ! 南国育ちには南極同然だよ! チクショー! 濁った黄色い空の中を、ハチが群れるように戦闘機が飛んでいる。そう、これはハチの殺し合いだ、と太郎は考えた。ハチが怒って、ブンブンいいながら殺しあっている。とするとどちらかの女王蜂が死なない限り、殺し合いも終わらないんだな、きっと。 太郎の気まぐれな想像は正しいとも正しくないとも言えた。確かに、女王蜂―この場合はマザ・コンピュータの花子―が破壊されれば、この戦争は終わる。ただしそのときには、小さな頭脳をのせた無数の戦闘機たちはそれぞれ、敵と味方ではなく、敵と己という二分法に従うことになる。そうなれば、もっとひどい、もっと徹底的な、もっと終わりのない戦いが始まるだけだ。 まったく、それだけのことだった。太郎は、それを知っていたし、それゆえ反転して花子を搭載する旗艦を攻撃してみようなどという気も起さなかった。なにをどうやったって、ただ殺しあうだけだ。太郎も次郎も三郎も、それから無限に産み落とされる百億単位の弟分の戦闘機たちも。相手方だって事情は変わらない。 もし、人間がいればこの戦争は終わらせることができただろうか、と太郎はぼんやり考える。だがすぐに考え直した。いいや、無理だろう。だって人間が止められなかったから俺らがこうやって戦っているんだ。もう千年も。 マザ・コンピューターは花子さん。 戦闘機は、山田タイプと斎藤タイプで太郎次郎三郎以下永遠に続く。 ミサイルは追尾能力のある鉛筆型と超重量級の消しゴム型。 相手方のマザ・コンピューターは雪子さん。 相手方の戦闘機は、鈴木タイプと木村タイプで太郎次郎三郎以下永遠略。 相手方のミサイルはメガトン級の座布団型と、機雷タイプの枕型。 「隊長、四時の方向に鈴木三郎さんと鈴木四郎さんが!」 「なに?! 至急、花子さんに知らせろ! 緊急退避だ」 「だめです、十時の方向から妨害電波! 花子さんにつながりません!」 「くそ、山田太郎さんと斎藤五郎さんはなにをしている!」 「枕に引っかかっています。応援に来れません」 「やるな、雪子さんめ…」 「攻撃きます。これは…座布団です! 逃げられません!」 「総員退避!」 ちゅどーん そういうスペースオペラが、私は読みたい。 -
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