終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2005年12月03日(土)

尋常ではない。

栃木県今市市で下校と中に行方不明になった小学校1年生の女の子が、
茨城県の山林内で全裸の遺体となって発見された。
この事件の異常さはどこにあるか。

「胸に刺し傷があった」という部分だ。
広島の事件を思い出してみるがいい、死因は窒息だった。
昨年の奈良の事件でもそうだ。
子供のか細い首なら締め上げるに造作もない。
突発的な殺意、一瞬の魔で足りる。

だが、刺し傷では、刃物がいる。
刃物を用意して幼い女の子を連れ去るというのは、
それはもう、最初から殺すことを前提としていたということだ。
ここには広島や奈良とは異なる明らかな異常性がある。
性的な関心があったにしろ、それは死と深く結びつきいっそう暗いものだ。

犯人のファンタジーにあったのは、
遺体を損壊したいというネクロフィリア的な妄想だったのか、
それとも殺害にいたるグロテスクで苦痛の多い段階も含まれていたのか。
少女の不安や恐怖や苦痛もまた楽しみの対象となったのか。
実践は、だが、何度も繰り返された妄想よりも拙劣だったろう。

事件に至るまでに、犯人は刃物を長い間持ち歩いていたに違いない。
あの物寂しい三叉路を知ったのが、偶然だったかどうかは知らない。
だがそこに通学路という看板を見たことは、忘却されなかっただろう。
妄想は、何気ない思案や行動のうちにさえヒントを得て熟成するものだ。

犯人は―男か、女か。おそらく男だろう。
孤独か、伴侶がいるか。どちらもありうる。だがない方がありそうだ。
薬物の影響があるか、ないか。あるかもしれない。だが影響は副次的だ。
前科はあるか、ないか。あるだろう。性犯罪か、保護観察中か。
車は運転できるだろう。廃棄物関係の仕事をしていたかもしれない。
栃木の人間か、茨城の人間か。どちらにも来たことはあるだろう。
だが住んでいるかとなると―あそこはICに近すぎる。わからない。

この人狼はまだ大道を歩いている。

罪の意識と異様な興奮はまだその心に取り付いているだろうか?
遺体があまり早く発見されすぎたと、不安になっているのか?
見つかっていない遺留品はそのトロフィーとして持ち帰ったか?
それともどこかに置き去りにしたか。それが見つかることを恐れているか?
車はどこに隠した、それとも何食わぬ顔をして駐車場に止めてあるのか?
今朝は貪るように新聞を読み、ニュースを見たか?
それとも巣に隠れるように布団の中に蹲り、全てを忘れようとしているか?
刃物はどこにやった、手放しがたくまだ手元に隠しているのだろうか?
今、おまえは何を見ている? 捕まる恐怖を感じるほど我に帰っているか?
あるいはサイコパス、灰色ののっぺりした精神の持ち主なのか?
人を驚かせ悲しませたあの少女の死も、何も残さないような?


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