- 2005年11月27日(日) 霧は晴れて川面は近く、鮭の群が水の下を泳いでいるのさえ見えた。 風は冷ややかで私たちは音もなくまた速く滑って行く。 ゆえあって空を飛んできた。 地上という平面がゆっくりと足の下に沈んでいった。 かすみがかった地平が遠くで弧を描いた。 山々の上はざま、川の上を霧が湿った毛皮のようにたなびいていた。 人の家はおもちゃのようで、区画された畑はパッチワークのようだった。 真下の山々を覆う紅葉する木々が不思議な立体感で連なっていた。 鳶が私たちの下で翼を広げて滑るように飛んで行った。 高度を落として川沿いの風に乗れば、夢で見たような飛行の視界だった。 川辺の樹木に集っていた烏がばらばらと逃げて飛び去っていった。 スカイダイビングの時も感じたことだが、 飛ぶ、というのは、あれはなんだろう。ともかく何かだ。 歩いたり走ったり、そういう一つの基本的な何かだ。 あれはなんだったんだろうと思えば思うほど、明確な言葉がない。 飛行の視界を得ること、飛行の自由な視界を得ること、 あれは いったい 何だったんですかね、荒井さん? -
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