終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2005年10月23日(日)

捏造ノルドランテ・シリオン襲撃編:
 
 予が槍はすでに折れたれば、残りし柄もて寄せ手を打ちぬ。
 するうちに柄は重ねて折れて短き棒となるも、さらに戦い止めず。
 御兄君マエズロスこれに気づき、馬を進めて近づきつつ仰せたまうには、
「マグロォル! 弟よ、剣を抜け! 木切れにては戦えじ」
「剣を抜く暇がござらぬ、兄上、はらからを殺すに忙しくて!
 はらからを殺し、親戚を屠り、同族の血で我が身を染めるに!」
 予は、御顔を一瞥もせで応えたり。
 なんとなれば、このとき同族殺しの苦悩に予はすでに倦みてしあれば。
「なればよ、剣を抜け!」
「罪を重ねるよりはむしろ死ねとおおせあれよ!
 我らアルクウァロンデを滅ぼし、ドリアスを滅ぼし、
 今またディオルの最後の遺児を殺そうとてシリオンの水口を目指しおる!
 かくも長きに渡り剣を抜き、殺し殺され、他のものはいかがなりたるや?
 父上は、カランシアは、クルフィンは、ケレゴルムは、末の双子は?
 小暗きナルゴスロンドの、ゴンドリンの隠れ王国の火が消され、
 まさに麗しのベレリアンドはモルゴスの手に落ちなんとするに、
 おお兄上、なにゆえ私は同族を前に剣を抜かねばならぬと?」
「マンドスは既にわれらに予言をなしたわ。
 それも太陽の昇るより先のこと、今では遠い昔と成り果てぬ。
 さあ、弟よ、とやかく言うはやめよ。
 とうの昔に宿命は定まり、しかも我らはそれをとくより知りたるに!
 そのときが来たとて繰言するはフィンウェ王家の子の斯業にあらぬ!
 石のごとく矢のごとく進むよりほかに道はなし!
 いざ、剣を抜け。剣を抜いてこの兄とともにさらに殺せ!
 そもそもの初めから望みなどありはせなんだ!」
「まこと、兄上の心強き励ましをくださることよ!」
「マグロォル、剣を抜け! 兄を愛する心あらば剣を抜け!」
 ついに予は御兄君が請いを聞き入れて剣を抜けり。
 しかしてフェアノォル王家の最後の二公子は嵐のごとく馬を進めたれば、
 あまたのエルダァルの血は前に流れ、屍はその後に点々と散らばりぬ。





折れた槍の元ネタは『ローランの歌』(ちくま文庫)。

マグロォルが作った「ノルドランテ」だから、
フェアノォル王家にも普通に敬語はつけると思う。
でもシンダァルの「シルマリルリオン」だと悪役だから、
敬語はつけられないだろうなあ。

文語調は大好きだが、扱いが難しい。
もっと感情豊かに歌い上げられればいいのに。


気合をいれやがれ、阪神!!!!!!!!!!!!


-



 

 

 

 

ndex
past  next

Mail
エンピツ