終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2005年09月18日(日)

 十五夜の月が照らす地表をディーゼル機関車でがたごとたどって帰った。それはまったくの偶然だったのだが、車では見えない風景を見れたことは、ピントがあらぬ方へとんじまった数々の写真よりも素晴らしい収穫だった。
 それで、私が月を撮ったかというと、撮りはしなかったのだ。理由を以下に述べよう。それとも言わぬままにしておこうか。迷うのは単に、私が何かについて理由を述べようとするとき、それはたいてい私がそれを信じているというよりは、その理由なるものがもっともらしく聞こえるとか、あるいはちょっとしゃれているように聞こえていると思い込んで得意になっているに過ぎない場合があまりに多いからである。
 しかしまあ、書いてみてもよいだろう。私は月そのものよりも、月が照らす地表のあらわす表情が好きだ。影が多く、だがそのためにこそ淡い光は際立つ。それは確かにひとつのやさしい目が見ているようだ。その視線の中で世界は至福のうちに身を横たえ、うっとりとしている。恋人同士の愛撫をのぞきみるような不埒な真似をしようとはしないように、私は月と月光のもとにある風景を撮りはしないのだ。ともかくも私はそう言うのだ。




20050918 MotoGP Grand Prix 13th inMotegi
photo by たつみ or 太郎飴


-



 

 

 

 

ndex
past  next

Mail
エンピツ