終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2005年07月10日(日)

高校野球選手権栃木県大会、今年も開幕しました!
いがぐり坊主たちがぞろぞろしている。わたしはどうも、彼らが好きだ。

 文星芸大付属(元宇都宮学園)は10日、県内屈指の左腕・泉を擁し、三年前の甲子園出場校・小山西と対戦。初戦最大の好カードの呼び声高い。
 案の定、試合はもつれにもつれ、文星が序盤に5点を先制して突き放したとみるや五回、小山西が6点を返して逆転。かと思うと続く六回には文星が2点を奪って再逆転。息のつけない展開だ。しかし八回、小山西はついに同点に追いつき九回はいずれも得点なしで延長へ。そして十回裏二死、一、三塁。大出が二遊間を抜く中前安打を放ってサヨナラを決めた! 
 その瞬間、文星ナインは蹲り、短い夏は湿気のこもった熱い風となって彼らの上を吹きぬけていった。ああなんという短い夏だ。2年半にわたるあなたがたの刻苦胃精励は2時間半の激しくも短い戦いのさなかに粉みじんに散って、もはや跡形もない。
 その瞬間、亡き母の面影に甲子園の夢を捧げて北海道から栃木に至った主将・木村は県営球場の広い左翼フィールドに立って空を見上げていた。風景に散らばるチームメートが背を丸め顔を泥だらけにしてあられもなく泣いているのに、きみの表情はうつろだった。しかも豊かで寂しい物思いに満たされていた。きみは負けた。敗北を抱いて立ち去れ。わたしはきみを覚えている。

 惜しみなく泣きまた笑う子供らよ。情熱のまま思い定めた道を来たきみたちは知っている。ここで多くのものが終わると。わたしはそれを見届ける。
 これは愛か。単数形で呼びかける。わたしは君を明日、見ない。


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