終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2005年01月14日(金)

 それで俺はどうしようっていうんだ、と、ククールは途方に暮れる。マルチェロは長い祈りの中にいるように彼を省みない。その緑の目にはククールは見えてはいまい。そもそも見えていたことなどあるのだろうか。声もまた。どのような手がこの男に触れられるのだろうとククールは自問する。そもそもなぜ自分が石の家から出て行かないのか、ククールにはそれがわからない。わかっていたことなどない。
 こんな状況がそういえば昔もあった、と、ククールは考える。修道院にたどりついた当初だ。兄とは知らず(オディロはすぐには教えなかった)出会ったときのやさしさを忘れられずに近づけはしないまま少し離れてうろうろしていた。今だってあのときと同様、自分が何をしたいのかなんてわかっちゃいないんだ、くそ。ククールは雪を踏む。院長、助けてくれ。俺は破裂しそうだ。なのにどこへも行きたくないんだ。ここにいたいんだ。くそったれな兄貴の石の家に。ああその石の心を。
 ククールは雪を踏む。松の幹を殴り杉の幹を殴る。雪は落ちて頭上に降り髪と服と肌を凍らせる。祈りの言葉を呪いのように吐き捨てた。時を巻き戻す術はなく起きたことをなかったことにする手立てはない。それがどうしたとククールは叫ぶ。それでもこれから何かをすることはできるはずだ、傷を消せずとも癒すことは。かつてはできなかったことも今はできるはずだ。その手立てが見出せれば。
 ああその石の心を。ククールは雪の上に体を投げ出した。もうすぐマルチェロがここを通るはずだ。時計のように正確に一日を勤行に費やす男が。あの緑の目をつぶしてやったらどうするだろうかと物騒なことを考えながら、ククールは目を閉じ、黙って足音を待った。雪を踏む足音を。


DQ8、ククール×マルチェロ……って嘘だろと思う人。(挙手)


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