終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2004年01月20日(火)

蒼白い神の家。2



「実際これはどういうことだろうね」と私は言った。
 今朝の紙面にはI県で大量のコイが処分されたニュースが踊っている。
「どうって?」ジンニーアがテーブルの向こう側から言った。
「このあいだはY県で大量のニワトリが処分されただろう?」私は答えた。
「そういえばそうね」ジンニーアが頷いた。「でもそれで?」
 どうやら彼女は意地の悪い気分でいるらしい。私は肩をすくめた。
「例えば明日にだね、小学生のこどもが水槽で飼っている金魚を殺し始めても、少しもおかしくないだろうと思うよ。命を大切になんていうのは標語にすぎないと今日、大人が証明したのだからね。こんな殺しがまかり通ると。違うかい?」
 ジンニーアは上目遣いに笑った。「子供ってそんなに馬鹿じゃないわ」
「わかっているとも」私は言った。「だが私の言っている意味もわかるだろう?」
「もちろんよ」ジンニーアが言った。「だけどそんなものでしょう?」
「そう思ってほしくはないんだ」私は言った。「こんなことはあっちゃいけない」
「ほんとうなのに?」ジンニーアは訝しむ。「そしてここにあることなのに」
「ああ、そうだよ」私は言った。
「勝手ね」ジンニーアは言った。泣くことができたなら。


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