終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2003年11月29日(土)

 私は辺りを見回した。私がいるのはまだ発見されていない地下の宮殿で、最後に閉じられたときに閉じ込められた空気は数千年をへて乾いた黴の匂いがした。音はどこからもせず、ただこの星が自転するごとに響くような耳鳴りだけが私の耳の中で鳴っていた。
 私は長い間、灰になった松明の並ぶ暗い道を歩いた。見上げれば、光のない暗がりの向こうに恐ろしく高い天井には銀や金で描かれた古代の空の星宿が錆び擦れてほの暗く浮かんでいた。両脇には粘土をこねて作った兵士たちが古代の武器をささげ持ち、古代の作りの屋根を載せた粘土の家々が蹲っていた。もう長いあいだ生きる者のいなかった街路を抜けると、私は海にたどりついた。
 水銀の海だった。丹の粉がいくらか浮いていた。私はしばらくそこに立ち、かつては柳の樹だった黒い炭素を靴底に踏んだ。目覚めるにはあまりに暗すぎる。


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