終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2003年03月14日(金)

タマちゃん“救出”騒動について。


1:
十一日朝、横浜市西区の帷子川で、アゴヒゲアザラシのタマちゃん
の保護を訴える市民団体が護岸で休んでいたタマちゃんを
捕獲しようとする騒ぎがあった。
現場に集まった住民らが猛抗議するなか、
網やモーターボートを使い、ダイバー数人を“投入”する
大掛かりな作戦が行われたが、タマちゃんは無事“逃走”、失敗に終わった。

捕獲しようとしたのは市民団体「タマちゃんのことを想う会」と
米国の海洋哺乳類救出専門団体「マリンアニマル・ライフライン」の
メンバー四人を含む男女二十四人。

メンバーらは十一日午前六時ごろ、前夜から護岸で休んでいたタマちゃんの
約50メートル上流に網を設置。驚いて川に飛びこんだタマちゃんを
下流から網で追い上げて間隔を狭め、捕獲しようとした。
昨年からタマちゃんの観察を行ってきた「タマちゃんを見守る会」の
メンバーらが「やめろ」「とんでもない」などと抗議の声をあげるなか、
別の網で川底をさらった。しかし網にかかったのは鯉一匹と骨折り損。
タマちゃんは護岸と網の間から逃げ、午前七時半ごろ、
下流側に顔を見せてから泳ぎ去っていた。

その後市内のホテルで行われた記者会見で、「想う会」の粟野裕司代表は
「タマちゃんが弱ってからでは遅い。北の海に返すために行動した」
などと話し、“救出作戦”の正当性を強調した。
しかし今後再び“作戦”を実行する可能性は低いという。

一方、「タマちゃんを見守る会」の田中保男会長は
「タマちゃんは帷子川が好きでいるのだし、健康で心配ない。
 突然捕獲するなどもってのほか」と話し、憤りをあらわにした。

粟野代表は「川底の生態調査のため」として県に虚偽の使用許可を申請しており、
県は粟野代表に厳重に注意し、始末書の提出を命じた。

タマちゃんは昨年八月に多摩川に出現、
九月ごろからは帷子川に度々出現していた。
県などの関係機関でつくる「連絡会議」はこれまで、
タマちゃんが健康な間は見守るとしてきた。


2:
えーと……
とんでもなくどうでもいいです、ハイ。

しかし、上の文章を見てみよう。
公正に見えるでしょう。実は実は、とんでもない。
「想う会」に対する弾劾文のようなもんだ。

問題の本質が「保護」か「自然」か、ならもっと書きようがある。
ここにあるのは手段を選ばない「独善」への根深い不信だ。


3:
もしこの文章の後ろの部分に、
専門家の談話として

「欧米ではアザラシなど海洋哺乳類がどこかに迷いこんだら、
 救出してできるだけ本来の棲息環境に戻すのが常識です。
 これまで誰もそうしなかったのが不思議です」

なんて話をくっつければ、読んだ人の感想を容易に誘導できただろう。
地元の人の猛抗議なんて部分を省いてしまえばなおさら。
嘘は書けないが、意図的に要素を「落とす」ことはできる。


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