- 2002年12月24日(火) 桜の下の死体。 1: 寒桜・冬桜というものがある。 春咲く桜とは別物だが。 寂しいようにほつほつと白くはかない花つける木。 桜の下には死体が埋まっているという。 埋まっているのは誰の死体だ。 決まっている。 2: 決まっている。 自分自身の死だ。 己が死体だ。 そら、冷たい土を破って私の左手の指が何本かのぞいている。 薬指には、細い白い古い傷跡。 あれはガラスを叩き割ったときの傷。 あのとき私は、死にたかった。 3: 私の死がある。 桜を見に行くとき、人は己が死に感嘆する。 タナトス。 おぼろに白い翼を広げる。 どの桜でも、私の死体を抱いている。 だって見ているのは私だ。 鏡のように。 4: 私の死を映す。 私の手がのぞいている。 冷たい土の下から、私の指、私の手。 寒桜、冬桜。 寂しいような花をつける。 死ほど華やかならず。 私が死んだとき。 おまえはきっと、春に咲く爛漫と。 -
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