- 2002年12月18日(水) 湾岸線で車を走らせたことがある人へ。 1: 夜が好きだ。 日中は不細工なばかりの工場地帯、闇に沈み。 浮かび上がるのは不規則に灯された白い光。 金属の棒や球体の曲がり、くねる断片。 ここはどこだ。 この世の外。 そんなこと呟きたくなる。 ああ、夜を走る。 2: 闇の中で。 法則なき鉄と石のオブジェ、異形のマス。 どんなピカソだ、こんな有機体めいたものを作り出したのは。 船は遠くで火影を海に映す。 二つながら揺れ動く。 光揺らぐ。 湾にかかった橋が、その光海に映す。 走りぬける光は、あれは車でない。発光する生き物だ。 曲がった嘴みたよなクレーンは、コンテナ釣り上げるのでない。 あれは闇から魔物を拾うのだ。百もの光る目を灯し。 3: ここはどこだ。 ル・リエー。 ジンニーアが私に囁く。 ここはどこだ、ル・リエー。 海に沈んだ都か。第十惑星より飛来せるgreat old ones。 果て知れぬ時の果てには、死もまた死ぬるさだめとな。 ここはどこだ、ル・リエー。 クトゥルフ統べる妖異の都。 なるほど老いて古い死はひととき眠る。 幻想を走る、高速を下りるまで。 -
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