終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2002年12月19日(木)

 ジンニーアとアル・シムーン。

「静寂に先立っておまえはいた。そして私が生まれるのを待っていた。
 待っていなかっただろうかおまえは。
 私が生まれたときに、待っていたのだと知りはしなかっただろうか。
 来い、ジンニーア。

 来いジンニーア。おまえを連れて行こう。
 そしてけして離すまい。信じよ、ジンニーア。来い」

「人の子ぞ、汝は。
 定めある命の人の子ぞ。老いてさえ妾にとりては幼い。
 人の子ぞ、汝は。妾を連れてなど行けぬであろう。行かぬであろう。
 太陽と夜を連れて行けぬと同じく。風と月とともに行かぬと同じく。
 違うかアル・シムーン、妾を放さずにいることなどできまい。

 然り、妾は汝を待っていたのであろう。
 汝を願っていたのであろう。原初の暗闇から。
 永劫の長糸を引く妾が。針の先ほどの長さしか生きぬ汝を。
 そのように断じることはできる。そのように現在が過去を名づけることもある。
 だがアル・シムーン。汝と行くことは叶うまい。叶わぬであろう」

「信じよと言った。来いジンニーア、連れて行くから。
 万世の主の主権さえ、世の終わりの裁きをさえ拒んでみせようから。
 来い、ジンニーア。ともに行こう」

「信じるとも。叶わぬと知りながら信じるとも。
 おまえとともに行く。裏切らば裏切れ。失われなば失われよ。
 妾は信じる。妾は信じた。汝とともに行く。行かずにはおれぬ。
 連れて行けアル・シムーン、ともに行こう」


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