- 2002年06月27日(木) 世界への同情。 1: ユングだったっけか。 とある精神病患者の言葉を著書に引いていた。 「太陽が煮えたぎって世界中の人間が非常な苦しみの中で死ぬのです。 そのような苦しみを味わわせたくないので、 私は世界中の人間を殺してあげたい」 それは世界への同情か。 恐るべき優しさと、哀れみ。 そうとも、優しさや哀れみが恐るべきものでないと、 誰が言った。 2: 私はおそらく、それと同程度に荒唐無稽で、 しかも残酷で、自分本意な同情を、抱いている。 それはつまり。 私の目の見るもののあまりの酷さと、 私のノーミソの知ることのあまりの暗さと、 私の血の中を流れる、あまりに多くの願い。 が。 衝突し、切り刻みあうからだろう。 打ち消しあうのではなく。 どれらも切り刻まれて片々になりながら、 バラバラにした海綿のように、一晩眠ると元に戻っている。 3: 私の目の見るほど、世界は酷くはない。 私のノーミソの知るほど、世界は暗くはない。 私の血の震えるほど、世界は幸いのために作られたものではない。 だから、これでいいのだと。 言ったって、だめなんだ。 自分でなんとかなるなら、 自分でなりたいものになれるなら、 私はきっと、今頃、猫になっている。 そうなれないから、まだ、人間のままでいる。 4: どうして、感情と血ばかり、私は幼いのだろう。 世界とまた人々とに、同情するなんて。 同情しているなんて。 そんなの、ねえ。 ナイショにしとかないと、笑われるじゃないか。 -
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