終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2002年06月21日(金)

旅メモ6

1:
ジブラルタルを渡る。
ヘラクレスの柱を。

船はゆっくりと動く。
そして私はどこへ行くのか。
イベリア半島はこの右手、よく晴れた日だ、岸壁の見える。
海は一見静かだが、ところどころ白い波頭。

二月最後の朝、今日は移動で終わりそうだ。
砂漠へ行きたい。


2:
昨日見たプラド美術館のあの数々の名画たち。
ブリューゲル、ボッシュ、ルーベンス、ベラスケス、
レンブラント、ゴヤ、そしてエル・グレコ。

人々の思考の断片。
彼らの読みなおした世界のモデル。綴り方。

何と――いう、絢爛たる世界だったことだろう。

ヨーロッパとはあの膨大な量の思考を重ねたその上に
打ち立てられた世界なのだ。

奇想があり激情があり荘重さ、悲嘆。
キリスト「あらゆる自然の動くもの、読みなおしあるいは形象化」。
――彼らの文脈だ。

しかもその一部にすぎない。


3:
プラド美術館で見たエル・グレコの絵のマドンナが忘れられない。

一つはキリスト処刑の絵で、
もう一つは受胎告知のそれ。

キリスト処刑の絵では十時かに架けられたキリストを見上げていた。
嘆きに顔を歪め、胸に手をあてて。

受胎告知の絵ではマリアは天使ガブリエルの前で、
驚いたように両手を広げ、目を見張っていた。
先の絵よりもわずかに乙女らしい、柔らかな表情をしていた。

そこに何かアナロジー、隠喩を読み取りたいのではない。
忘れられない。それだけだ。


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