- 2002年06月18日(火) と・あるひととの会話の中で、 ふと思い出したことを書いておこう。 忘れないために。それだけに。 1: あれはいつだったか、もう忘れるほど昔。 (昔の定義は、今との断絶のある場所というほどの。 それはおとぎばなしのonce upon a time.) あれはあったことなのか、それともなかったことなのか。 (ある意味ではあったこと。 ある意味ではなかったこと。 私の立つ平面とはねじれの位置にある) そも、話を始めよう。 2: 物質という概念を知りました。 質量保存の法則を知りました。 そして誰が言ったのだったか。 「あなたはいつか、星の欠片だったかもしれません。 そしてやがては混沌、希薄な宇宙の最後のスープの一部となります」 誰が言ったにしろ、そこには欠けているものがあった。 あなたが語ったのは過去と未来であり、普遍の真理だけだった。 ねえ、それでは足りない。ぜんぜん足りない。 私が知りたいのは、現在を理解する鍵。 この手がここにある、これは何。 あなたの言葉だけではわからない。 3: 私はここにいる。 私は生まれたそして死ぬ。 わたしを作る全ての粒子は永遠を吹かれゆけ、だが私は滅びる。 私は、この特殊な原子と分子の並び、配列は。 ――ひともとの蝋燭の燃え尽きれば塵となるがごとく。 そしてそこに残る水蒸気と炭素とその他いくつかの分解されたものは、 かつて私でありやがて別のものでありそのいやはて、変転しゆくだろう。 失われることはないであろう、消え去ることはないであろう、けして。 だが私となることはない、二度とは。 二度とは、二度とは。 よかろう、私は有限を生きる。 有限を生きる、限られたものとして生きる。 この特殊な構造、そのものとして生きる。 でなければ、憐れだ。 でなければ、あまりに哀れだ。 死を運命づけられた、私というものが。 たいしたものではなく、優れたものではなくても。 無限空間無限時間にただ一度きり、生まれ生きまた死ぬ、私というものが。 3: 滅びを定めとするものとして、私は生きよう。 私は逝こう。 永遠のうちの一歩を踏むようにはどの一歩も踏むまい。 かけがえなく、再びはなく、永遠の中の唯一なものとして踏もう。 無限に続く日々のうちの一つを迎えるようには、どの一日も迎えるまい。 かけがえなく、再びはなく、永遠の中の唯一なものとして迎えよう。 歯を食いしばり。 ――ああ。 4: そのように、かつて私は考えたのでした。 私自身を哀れんだのでした。深くまた激しく。 この身をかき抱いて涙を流すほどに。 それは私が私となる以前の記憶です。 -
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