終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2002年06月04日(火)

砂漠メモ第二弾。

1:
砂漠の夜。
十時半頃だろうか。

月が昇った。

それまで空にあった網目のような光の連なりは消えて
ただ強い星々は光点となり、月は夜に広くその耀きを敷き広げた。

月は半欠け、砂に埋もれた丸い石のよう。
その下で砂漠は不思議な輝きの濃淡。

あらゆるのもの境目はあいまいで、
それでいて私の影ばかり確かな形を持っている。


2:
四時半頃。
砂の稜線にひとり座る私の前で、東の空はわずかに白く。

夜明けはゆっくりとやってきた。

東の空ははじめはわずかに、
やがてゆっくりと――明るさを増してゆき。

世界にはまだ夜が満ち、空には月と星がかかり。
やがて東の星は白みゆく光に弱まり瞬き始め。

砂はまだ灰色の濃淡。
東の白が次第に増して、琥珀の色、朱鷺の色は混じり。

太陽は地平にかかっていた薄雲を明るませ、
またほとんど燃やすようにして上ってきた。

風は夜明けとともに止んだ。


3:
私の影は長く長く砂丘を越えて伸び、
砂は赤みがかった耀きを取り戻していた。

だが影はまだ長く、その濃淡は弱く。

太陽は射るような視線を投げた。

私の影は縮まりまた濃さを増し。
連なる砂丘は柔らかにその姿を確かなものとした。


4:
飛び鼠と猫の足跡。
小鳥と。

羊毛と駱駝の毛で織った布を二重に張った黒いテントは
見かけよりも温かい。


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