終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2002年02月04日(月)

「オテサーネク」

シュヴァンクマイエル、あなたの文体はどこへ行ったのだ。
あなたの、あの一秒一秒があなたの魂を吹き込まれあなたの刻印を押され、
あなたの、あの一つ一つの存在が限りなく文体をはぎとられた存在となり、
あなたの、あの異なる次元において隠しようもなく物の実相を語る、
あなたの、あの文体はどこへ行ったのだ。

シュヴァンクマイエル、あなたはあまりにもこの世の言葉で語りすぎた。
あなたはあまりにも人間の話法、人間の文体、人間の軌道で語りすぎた。
あなたの言葉を探して、私は画面を駆けずり回らねばならなかった!
シュヴァンクマイエル!

シュヴァンクマイエル、あなたはあまりにも隅っこへと引き篭ってしまった!
熟した林檎のようだったあなたの横溢したエナジイはどこへいったのか。
あなたはまるで萎びた林檎、硬い皮の中で萎縮した実質。
あの長大な作品に、あなたは半分も入ってはいなかった!
シュヴァンクマイエル!


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シュヴァンクマイエルの「オテサーネク」を見てきた。
感想は上の通りである。
シュヴァンクマイエルの作品は、これまでどのカットを取っても
彼の作品だということは疑いようもなかった。
まるで刻印でも押されているかのように、彼の息吹は行き渡っていた。
だが「オテサーネク」は。

――その半分は、シュヴァンクマイエルのものだと言われてもわからない。
チェコのある監督の作品だと言われればそれで通る。
あまりにもわかりやすい、あまりにも陳腐な、語彙。
血飛沫――シュヴァンクマイエル、あなたの語彙にはないはずだ、そんなものは!
死は常にあなた独自の言葉で語られていたではないか!
もっとずっと恐るべき、もっとずっと鋭い牙を持ったものだったはずだ!
だのに、ここでは、他人の言葉があまりにも多く紛れ込んでいる。
あなたの言葉はどこへ行ったのだ、あなたの刻印は、あなたの視界は。
これはあまりにも非人称の人々の視界ではないか!
人間の世の倫理も論理はあなたには無用のものだったはずだ!
あなたの倫理と論理は、異なる次元のものだったはずだ!

――むろん、残りの半分はシュヴァンクマイエルのものだ。
木の赤ん坊「オティーク」――それはあなたのものだ。
だが総じてあなたの密度は低かった――。


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