終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2002年02月03日(日)

回転する世界と・コトバ

1:
Kに会う。
彼女の言葉は夜毎日毎遠のいていく。
2年前に会ってから、会う都度。

あなたの言葉が聞こえなくなる。
あなたの言葉が遠のいていく。
どれほど耳を澄ましても――聞こえなくなっていく。

あなたはどこへ行くの。
そんなにもたくさんの嘘を傷をコトバに織りこんで。
あなたはどこへ行くの、そんなにもあなたの言葉は。

ねえ、あなたの言葉はわたしにはもうほとんどわからない。
あなたは異なる言語を話す人のようだ。
私はあなたの言葉がもう、理解できない。
私はあなたの前で、次第に長く沈黙する。

あなたはそれに気づく。
私もそれを知っている。
にも関わらず――私たちは。


2:
あなたの言葉がわからない。
あなたは次第に別の言語に移っていく。
私のいない次元に移っていく。
あなたはどこへ行くの?

私とあなたは互いに見知らぬものとしてであった。
そしてあなたはやがて見知らぬものになってゆくのか。
これが別離だ――知り給え。

わたしとあなたは今、別れつつある。

私とあなたは垂直の線。
この2年を交わり――そして別れゆくのか。
あなたの言葉はもう、私にほとんど触れない。
私の言葉も――おそらく。

この別離は永劫だ。
ああ、永劫なのだ。
K、行くな。
行かないで。
このような別れは――正しくない。
互いに目の前にありながら、無限に遠く離れてゆく――このような別れは。

あなたは沈んで行くのか。
あなたは異なる次元へと移ってゆく。
私はここに立ち止まり。
――ああ、K、あなたの遠ざかる影を見ている。
泣くことさえ許されない。
あなたがここにいるから。


3:
あなたがここにいるから。
私は笑って、あなたに話を合わせるのだ。
既にないひとの声を聞き、顔を見る。
あなたはいない。
どこにもいない。

――ああ、K。
私がどれほど悲しんでいるか、あなたにわかるだろうか?
あなたの死を悼みながら同時にあなたの前に立っていることの苦しさを。
これは私の――幻影か? 笑うべき幻か?
だがあなたも感じているはずだ。
私とあなたが次第に遠ざかっていること。――わかっているはずだ。

だからこそ――私とあなたはなにごともなかったようなふりをしている。
笑い、話し――ああ。
無限に横たわる虚空を隔てて――この声が届けと。
届けと――願い。ああ、だが、あなたの言葉はあまりに多くのノイズに紛れ。

願い――K。

行ってしまわないで、ください。
――それとも、行きつつあるのは、私なのですか。


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