終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2002年01月17日(木)

鵺(ぬえ)

1:
「頭は猿、
 胴は狸、
 尾は蛇、
 手足は虎、
 声は鶫」


2:
あなたは私に何を見ますか。
私の頭だけを見るひとは私を猿だと言うでしょう。
私の胴だけを見るひとは私を狸だと言うでしょう。
私の尾だけを見るひとは私を蛇だと言うでしょう。
私の手足だけを見るひとは私を虎だと言うでしょう。
私の声だけを聞くひとは私を鶫だと言うでしょう。

そしてまた、私は。

あなたが猿を見たいと願っていれば私の虎の部分を。
あなたが狸を見たいと願っていれば私の虎の部分を。
あなたが蛇を見たいと願っていれば私の虎の部分を。
あなたが虎を見たいと願っていれば私の虎の部分を。
あなたが鶫を知りたいと願っていれば私の虎の部分を。
それだけを、見せるだけの狡猾さを持っている。


3:
私を探してください。
私を分解することなく、概念として整理することなく、
ほら、その目を。――静かに。

あなたはそこに私を見るはずだ。
猿でもなく狸でもなく蛇でもなく虎でもなく鶫でもなく。
――鵺を。私を。
なにか「めいた」ものの集合ではなく、私自身を。
――鵺を。
私もそうするから。


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