終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2001年12月24日(月)

我が家。

1:白いこんにゃくの恐怖。

とある、寒い夜のことだった。
「○○(←本名・八割の確率で男名前)ちゃーん、お風呂空いたわよー」
と、お袋様からお呼びがかかり……
私はフロ場に向かったのだった。

カラリ……
フロ場の扉を開ける。
もうもうと湯気の立ちこめた浴室に入り、フロの蓋を私は開けた。
――と。
「……?」
奇妙なものが、見えた。

それは、ちょうど、こんにゃくのようにブヨブヨとした、
しかしのっぺりはしていない物体で……網でもかけたような模様があった。
私はしばし、気味悪さに眉をしかめ、
おもむろに手桶を取って、プカプカと浮いていたそれを掬い取った。

何なのか、見当がつかない。
新手のスポンジか?
いや、それにしてはあまり丈夫そうではない……
台所ならともかく、こんにゃくでもあるまい。
しかしこの臭いは……

「……っ!」

私は知った。
それは湯を吸ってブヨブヨ膨れた、湿布薬だった……

うっかり湿布薬を貼っていることを忘れて風呂に入り、
はがれたことにさえ気づかずに上がったお袋さんに、
私が散々文句を言ったことは言うまでもない。


2:52歳の子供心。

22日の夜、実家に帰った。
父親がまだ起きていて、リビングのホットカーペットの上に
寝転がって、テレビを見ていた。
「おお、○○か、珍しいな」
「うん。ただいま」
少し話した後、私もカーペットの上に腰掛けて、
テレビの画面に目を向けて、ニュースを聞いていた。

ジャジャーン、と、ニュースが終わる。
ふいと、親父が立ちあがり、テレビの横のサイドボードのあたりに立った。
ウイスキーでもおかわりするのだろうと思って、私はCMを見ていた。
そう、普段テレビのない家に住む私は、
CMが珍しいのである……。

と、ふと。

ヒラリ、目の前に、何やら落ちた。ハガキらしい。
顔を上げると、親父が立っている。落としたらしい。
拾おうとする様子もないのを訝りつつ、拾って、ハイ、と、差し出す。
ニタァリ、親父、笑うではないか。
「……?」
もう一度、ハイ、と、差し出した。
しかし、親父はニタニタ笑うばかりである。
すわアルツハイマー発病か?などと思いつつ、ハガキに視線を移した。

『お客様のハンディのお知らせ。
 2002年1月1日から、7(本年は8)となります』

見て欲しかったのね……
ゴルフのハンディが下がったのを、見て欲しかったのね……
だからハガキをわざわざ落っことしたのね……
だからニタニタ笑ってたのね……

しかし、私はオトナである。にっこり笑って言った。
「オメデト、すごいじゃない」
「やだなあ、見ちゃったの? ひとのハガキ、見るなよぉ」
「……」

こんな親父である。


3:壁の向こうの物音。

夜半、家にあった「ハリー・ポッター」をこの機会に読んでしまえと、
布団の中に引きずり込み、スタンドの明りだけつけて読んでいた。
部屋の電気をつけておくと、日付が変わる頃には、
いまだにお袋さんが「はやく寝なさいよ」と来るのである。

と、ふと。

ドシン、と、音がした。

「……?」

耳を澄ましても、何も聞こえない。
隣の部屋の弟はもう寝ついたはずである。――気のせいか?
また、視線を本に落として、読み始める。

「――……――」

今度は、人の声である。
弟の声だ。まだ起きてたのか? 耳を澄ました。
なにやらごにょごにょ言っている。
独り言、にしては……声の調子が違う、ような……

「……○○(←本名・うちは上二人女なので、弟は名前で呼ぶ)ちゃん!」

クソ寒いのに、と、思ってベッドから起きあがり、ドアを出る。
弟の部屋はすぐ横だ。
ドアを開ける――……

「△△△(←弟の名前)?」

真っ暗だ。
寝てる、らしい……
こまってしばらく立っていると、
むにゅむにゅ言う声が聞こえた。
寝言……?

アホらし、帰ろう、としたとき。

「○○ちゃん、俺のパンツ……」

………かなり、悩んだ。
私は弟のパンツに関してはノータッチだ……。
引き摺り下ろしたこともなければ、盗んだこともない!(あたりまえだ)

翌朝、尋ねたところ……
もちろん、本人はちっとも覚えてなかった。
そして真相は永遠に謎となったのである。


誰か、こんな家族、いらんか?(赤札貼りつけ)


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