終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2001年11月26日(月)

深く静かに。

1:
ねえ、夢は、悲しいから、嫌いだ。

だって、誰も知らないんだもの。
そんなことがあったんだよ、私の夢の中で。
私はそんなことをしたんだよ、そんなものを見たんだよ。

でも、ねえ、それは私しか知らなくて。

私はなにひとつ満足に説明する方法を知らなくて。
証明するなにもなくて。連れて行ける場所もなくて。
そうだったよねえ、と、一緒に思い出してくれるひともなくて。

だから、私も忘れてしまうことにしたんだ。

(かわいそうだね。ああ、かわいそうにね)


2:
ミヒャエル・エンデの『果てしない物語』で。
ファンタージエン国の土台をなすのは、忘れられた夢なのだよ、と。
それらは層をなして積もっているのだよ、と、鉱夫ヨルが言っていたんだ。

私の忘れた、私の夢も、そこにあるの? ねえ、ヨル。

かわいそうな、かわいそうな、私の夢たち。
私にさえ、裏切られて。捨てられて。忘れられて。
でも、一人では、なにも持てないよ。
一人では、どんな宝物も、重いばかりなんだよ。

だから、ごめん、私の夢たち。
ファンタージエンの深い地層の中で、眠っておいで。
おまえたちがどこかにあるということで、私は少しばかり、気が楽だよ。

(こーりんぐ・はうりんぐ・むーん)


3:
ゆめのこども、わたしのこども。

――なにを見ているの?
ああ、雪だね。夜の空から、雪が降ってくる――

――泣いているのだね?
いいよ、私だけは、おまえを邪魔にはしないから――


誰もおまえを、必要とはしない。
おまえの涙など、おまえの悲しみなど、おまえの絶望など。

(誰も私を、必要とはしない。
 私の涙など、私の悲しみなど、私の絶望など)

おまえの涙を、おまえの悲しみを、誰一人受け入れることはない。
それは人間には不可能なことだよ。
だって、人間は誰も寂しいのだからね。

(私の涙を、私の悲しみを、誰一人受け入れることはない。
 それは人間には不可能なことだよ。
 だって、人間は誰も寂しいのだからね)


私はおまえを哀れむ。

(私は私を哀れむ)

私が必要としているものを、おまえに与えよう。
私はおまえの全ての感情を分け持とう。
おまえの悲しみを悲しもう。
おまえの涙を流そう。
おまえと私は、同じ寂しさの輪の中に住む。

(それで私もわずかに慰む)


どうすれば、出られるのだろうね?


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