- 2001年11月17日(土) 食卓での会話。(備考:おかずはイカとチンゲンサイの炒め物) 母>イカはイカが? 私>うまイカどうか、それが問題だ。 母>イカにも。 私>(食う)……イカしてます。 母>それはイカった。 乗る私も私だが、言い出す母も母だ。 いや、止めろよ親父、弟。 ……実話だけに寒い。 1: 会話の諸段階について。 Q:どっか食べに行こうか? A:うん、行く。 この問答について、考えてみよう。 一見、この問答は正しい。 「する?」と聞かれれば、答えとして、 文法的には「はい」「いいえ」しかないからだ。 しかしながら、このAを現実の会話とするなら、 無限のバリエーションがある中の、非常に退屈な一つでしかない。 文法的に正しい会話の流れをチャートしてみよう。 1「どっか食べ行く?」 2「行く」(もしくは「行かない」) 3「どこ行く?」 4「中華がいい」 5「俺はイヤだ」 6「じゃあ何食べたい?」 7「昨日中華食べたから、イタリアンがいい」 8「いいよ」 9「『パスタでほい』に行く?」 10「行かない」 11「じゃあどこ行く?」 12「『パスタでどん』はどう」 13「行こう」 2: 文法的に正しい会話は、 私だったら、間違いなく4か5でブチ切れる。 1「どっか食べに行く?」 2「どこ行く?」 3「昨日中華食べたから、イタリアンがいい」 4「『パスタでほい』に行く?」 5「『パスタでどん』はどう?」 6「行こう」 この程度のテンポのよさがなければ、 その会話は、鈍重である。 全ての否定は、否定の理由と新しい提案を含んでいるべきであるし、 肯定の後には、会話を次の段階に進める問いがあるべきである。 3: 会話の段階を「とばす」こと、あるいは「短縮」することは、 単に時間の節約になるだけではなく、 テンポよく互いに提案をし、応否を交換して 双方の満足に行く方向を探ることによって、 一つのことを「しようという」意思・熱意があるということを 表示することにもなる。 何を言っても、「はい」「いいえ」、 あるいは「どっちでも」「なんでも」と答えることは 相手に対して主導権を渡すというだけではなく、 相手を侮辱することになる。 なぜならそれは相手とともに一つのことを「しようという」 意思・熱意がないということを表示しているからである。 4: 嘘を言わずに、嘘をつく方法。 A>怒った? B>どうしてそう思うわけ? A>だって、手ぇつないでくれないんだもん。 B>今日みたいに暑い日に、手なんかつないでいられるかよ。 Bは、怒っているのである。 だが会話の「とばし」を応用して、怒った、と、言わずにすませている。 嘘をつかなくても、嘘はつける。 疑問形で。 あるいは、会話の狭間の沈黙で。 嘘はつける。 一言だって、嘘を言わずに。 あるいは、自覚することさえなしに。 -
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