- 2001年09月30日(日) 1: 日曜日、親友と二人、バカな吸血鬼の映画を見に行って来た。 単館映画というのは往々にしてそうだが、実にバカな映画だった。 金を払った甲斐があった。こうでなくっちゃ。(むふん) 彼女は私と同い年、今年の春から就職している。 仕事が、忙しいらしい。 弱音を吐かない子なのだ、いつでも。 とても無理な量の仕事を、周りの無理解を、押し付けられて。 「新米の私にそんなん押し付けるやって、部長バカやんな〜」と 笑ってしまう子なのだ。周りもつり込まれて、笑う。 でも、と、私は思う。 でも、あなたは、その仕事の責任も一緒に押し付けられているのに。 でも、あなたは、その仕事ができなければ、責められるのに。 できなくても、誰も助けてくれはしないのに。無理を言った張本人の部長さえ。 それを感じない子ではない。それを感じないはずはない。 ひしひしと感じているから、そんな言い方しかできないのだ。 まず笑ってしまう。 まず自分が笑ってしまう。 一緒にいる私の気を重くさせたくないから。 泣いてもどうしようもないと知っているから。 笑って、それから、死にもの狂いで、始める。 それが彼女の流儀だ。 だから私も、そんなふうに言われる都度、一緒に笑っていた。 2: 映画の後で、ロフトの喫茶店に行き、 私は紅茶を、彼女はコーヒーを注文して。 いつものように笑いながら話していて。 泣かしてしまった。 ……。 泣かせるつもりじゃなかった。 でも、笑う彼女の言葉が辛くて。その疲れた顔が辛くて。 手助けをしてあげられるわけもないのに。何一つ言う権利はないのに。 「つらいね」 どうして部長は無理なことを言うのだろう。 どうして誰もあなたにできることとできないことを考えてあげないのだろう。 せめて、一緒に考えてくれないのだろう。 わかっているはずなのだ、私には。 仕事が必ずしも論理的に割り振られてはこないこと。 個々人の事情を誰かがきちんと見てくれてなどいないこと。 それを彼女も承知しているということ。 ごめん、泣かせるつもりじゃなかった。 あなたが隠したいと思っていることを、引きずり出すつもりじゃなかった。 3: 強くあろうとするあなたが好きです。 どうしようもないことなら笑いとばして、それから必死で走るあなたが好きです。 逃げないあなたが好きです。 だから、泣かせるつもりじゃなかった。 でも。 ごめん、辛くて。 ひどく、辛くて。 もう、言わないから。 ごめん。 -
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