- 2001年09月19日(水) 1: 自分が青臭いということなど、とくから知っている。 世間知らずだということも、独断的だということも。 だが、私の書いたことは全て、私の思考なのだ。 2: 私はいささか、粘着質な読書方法をとっている。 というよりも、自然とそうなるのだが。 ――読み始めたら、読み終わるまで、読む。 これはもちろん、一日24時間暇な学生にしかできないことだ。 私は幸いにして本を読みながらある程度安全に(*)歩けるし、 本を読んでいる間は、空腹は一日に一度しかやってこない。 大学には週に三日も顔を出せばよいのだし、 それだって図書館の資料を借り出すためだけに行くようなものだ。 ――何かに突き当たったら、寝ている間も、考える。 誇張ではない。 夜中にふっと目を覚ますとき、私はいつでも、 自分が眠っているときに何を考えていたか(*)わかって、 自分のしつこさに辟易しつつ苦笑する。 3: 私にとって、表現は、血肉を削ることである。 誰が読もうと、あるいは読むまいと関係ない。 誰一人読まなくても私は書くだろう。 私の書いたものは全て、私が在る一つの考え、疑問、想念との間に 食らいつき、逃げ回り、のたくり、周囲を駆け、引っ掻き回し、 殺す覚悟で鉈をつきたて、振り回され、引っ掻き回され、 突進しては投げ返され、何か結論を見出そうと格闘した痕跡だ。 自分の思考の過程を、文字という本質的にしごく不完全な、 扱うことに困難で、全てを拾い上げることの難しい形式に纏めること、 それも寝ている間も考えるほどに集中してそれを試みること、 ――そうだ、私が内臓をなくして帰ってきたことは一度ではない―― それにどんな意味があるのか、私は知らない。 私はただ、そうしたいのだ。 ――「するべき」「せざるをえない」という言葉を私は憎む―― 私は、そうしたいのだ。 4: 私は自分が青臭いということを知っている。 独断的であるということも、世間知らずだということも。 私の書いたものは、三年もすれば、私自身赤面する体のものだろう。 だがこれは、私の、傍目をかまわない格闘の痕跡なのだ。 私の血みどろの足跡であり、失った内蔵の空隙であり、 食いちぎって持ち帰った一つの想念の――精髄と信じるものなのだ。 私の持ち帰ったわずかな戦利品、この真理は醜いものかもしれない。 ――だが、私のものだ。私のものなのだ! 牙を剥いて私は唸る。 どうか、わかってください。 ここに投げ出したのは私の心臓。 私が狂いまわって得たなにがしかのもの。 私自身の内臓。眼球。歯茎。舌。皮を引き剥いた指。 私は私より始めるより他にないのです。 誰の意見も他人の意見に過ぎません。 これが――私なのです。 このように、私は歩くのです。 そして私は傷つくことも傷つけることも、惜しまぬものです。 * 私はこれまで電柱にぶつかったことは、二度しかない。 駐車中の車にぶつかったのは一度、溝に落ちたのは一度だ。 頻度としてはごく稀と言ってもいいと思う。 眠りながら数学の問題を解いたことも数度ある。 ちなみにこちらはすぐに飛び起きて書き留めないと忘れてしまう。 -
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