- 2001年08月31日(金) 精神と身体のパズル 自分の肉体に、自分の精神をぴったりと重ね合わせたい。 難しく聞こえるだろうか? とても、簡単なことだ。 存在するままに生きること。 人間であり、女であり、若く、痩せて、背が高く、 美しいとはいえなくとも一つの顔を持つ。 そうしたことの意味を正しく知り、そのような限界そのものを受け入れ―― むしろそのような限界を持つものとしてこの足の上に棲みたい。 今は、重なりきっていない。 穴の空いているところもあれば、はみ出ているところもある。 例えば私の精神の――羽根だ。 これは、私の肉体には全然附属していない。 哀れ、この羽根は、私の背中から惨めに半透明な形をさらして突き出している。 例えば私の子宮だ。 これは、私の精神にはまるで見知らぬ器官だ。 哀れ、そこだけ窪み、穴空いて、風が通る。精神はこれを知らぬふりだ。 肉体は精神に、精神は肉体に、奇妙な違和感を覚えつづけている。 多分、生まれたときから、今までずっと。 双方互いに歩み寄ろうとはするのだが、どうしても駄目なのだ。 私の精神は子宮のことを問われれば、曖昧な微笑を浮かべて話をそらす。 私の肉体は、羽根のことを問われれば、ないよと答え、精神は気を悪くする。 私はデコボコ、うつくしい形には遠い。 精神は自分の顔を知らない。 とても美しいものを想像してみたり、とても醜いものを想像してみたりする。 たまさか鏡をのぞきこんでもみるが、どうもそこにあるものはしっくしりしない。 これはきっと姉の顔だろうと思ったりする。 精神は困っている。肉体は精神を訝しむ。 そうして私はといえば―― 途方にくれるばかりである。 -
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