- 2001年08月09日(木) 私は時々考える。 私は時々見る。 ほんの、時々だ。 いつも見えていたら、きっと、気が狂う。 いつも考えていたら、きっと、気が狂う。 「この世は深い。 『昼』の考えたよりも更に深い」 ニーチェ 『ツァラトゥストラ』 世界は深いのではないかと。 世界は広いのではないかと。 私の目の見ているのは百のうちの ほんの一つか二つに過ぎないのではないかと。 正しい角度からのぞいたように、 一瞬だけ、私は見る。私は思い至る。 その瞬間、世界はまるで違う色を持ち、 世界はまるで違う存在だったのだと理解する。 世界は確かに百の豊穣をもって私に対する。 「汝が深淵を見るとき―― 心せよ、深淵もまた汝を見る」 ニーチェ 『ツァラトゥストラ』 夢の中で解いた数学の問題のように、 一秒か二秒もすれば、確かに掴んだはずのことはどこにもない。 確かに見えたはずのものは、思い返すことさえできない。 追いかけよう、追いかけよう。水晶球の転がるように。 -
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