終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2001年02月05日(月)

渡会宗一郎


夕方、海で散歩をしていた。
妙に楽しくて、貝を投げて遊んでいたら、
人がきた。一人は花ちゃんと呼ばれていた。
治療はしてあったが喉にひどい怪我をしていた。
「なぜ生きるのか」と、聞かれた。
多分、僕の答えは伝わらなかっただろう。
もう一人は、名前はちょっとおぼえていない。
でも、きれいな声をした少年だった。
オンチは治るといわれたが、本当だろうか?



そうこうしているうちに、人が車に乗って来た。
が、すぐ帰ると言う。風邪らしいと言うので、
いいと言うのを振り切って一緒に家帰った。



……えらく乗り心地の悪い車だった。



(手帳。走り書き)




ジブリール


しばらくぶりに、特殊部隊の演習に参加してみた。
昔の訓練通り、体はきっちり動いた。
だが銃はやはり嫌いだ。



帰り、大使館にまっすぐ帰るのも馬鹿げていると思い、
ヘリから廃ビルに下ろさせた。
と、かおるに会った。
なににヘソを曲げたのかフェンスを飛び越えようとするから
思わず抱き寄せたら、ずいぶんと細いように思えた。
そのまま抱いていたら、ひどく怒り出した。



その場に二人ほどいたような気もするが、よく覚えていない。
かおるは剣を振るった。踊る月のような剣だ。
よい腕だったが、感情が高ぶっていたせいか、
俺が防御に専念すれば、かわしきれないほどでもなかった。
足払いをかけて、抱きとめた。



……俺は、俺の中に獣を飼っている。
獣に惹かれ、獣を見れば、目覚める。
美しく慣れない獣であれば、なおのこと。



愛されることなど望みはしない。
このようなものは愛などとは呼ばれえまい。



さあれ、神のみ唯一にして絶対、偉大なり……。



(黄ばんだ古いノート。その空隙の一葉。典麗なアラビア文字)





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