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佐谷充彦
目が覚めた……ら、紗羅ん家だった。手足、縛られてた。そこらへんに落ちてた工具で足だけ縄切って、逃げた。
どこをどう、歩いたのか。気が付いたら病院で、サカエがいた。海で、階段から転げ落ちた、らしい。サカエは、優しい。いつもだ。どう、して?俺は、好きになってもらえるような、いい子じゃない。俺は、サカエを困らせる。俺は、サカエを傷つける。俺は、そうしたく、ない。
ふいに、ひどい痛みが、頭にきた。……すぐに、意識がなくなった。
俺は、死ぬ、のか?
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