ジブリール
ヘイカゴリンセキノエンユウカイ、とやらをすっぽかした。
すっぽかして、植物園に行った。
しばらく、狭い場所で、しかも座りっぱなしだったものだから、
尻から腐ったような気になっていた。
奥の広い場所に行こうと歩いていたら
かねこまさみち、という男が茂みから出てきた。
ぼんやりしていたものだからうっかり剣を向けてしまった。
それは後で詫びたのだが、どうもかねこまさみちは
俺の邪魔をしたくなったようで、一本背負いをかけてきた。
大して苦労もせずいないしたのだが、そこに二人、
男が騒ぎを聞きつけて駆けてきた。
一人はひどく無礼な男で、一人はそうでもなかった。
が、すぐに立ち去った。
植物園の奥、空の開けた場所で、
しばし、思う存分に剣を振るう。
剣と語らうのは、よい、ものだ。
ふと気づくと、以前にも会った男がいた。
かおる、であると今回名乗った。
語らぬことで語り、嘘によって真実を告げ、
否定によって肯定する、そのような男だと、思う。
――どうも、男か女か、いまだに俺には自信がないのだが。
かねこまさみちは、俺と会えて悔しくて嬉しいと言った。
砂漠に行きたいのだとも。砂漠のことを聞きたいのだとも。
俺と砂漠が好きなのだとも。俺と手合わせがしたいのだとも。
子供のようだと思った。憧れを知るものの言葉だとも。
――だが憧れは諸刃の刃。
さあれ、欠けることなき真実は、神のみぞ知りたもう。
話していたら、ふいにヘリが飛んで出た。
ご丁寧に機関銃付の、戦闘用だ。
侍従長代理のウマルは、なかなか大胆だ。
さっさと配置転換になるように、叔父上に褒めちぎっておこう。
…………今夜は詫び状書きで徹夜だな。
(日本語ノート。コメント、内容は愉快です。文字も丁寧に)
ジブリール
起き抜け、ウマルが部屋に入ってきて言うには、
今日一日は休み、どこへ行ってもいいが、24時間監視する、とのこと。
別に構わんと言って外に出る。
近海通るとたまたま従兄弟から連絡があり、
ついでだからと遊びに行った。潜水艦だった。
しばらくしてから席を辞し、新しく購入したボートで出る。
見かけは白鳥に似せて造ってあるのだが、いささかみすぼらしい。
が、かもふらーじゅなのでいいのだそうだ。
ともかくそれで、街の海辺へ行く。
なつみとこしょうとひろせと、もう一人子供がいた。
こしょうは変わっていない。なつみは犬を、ひろせは猫を連れていた。
なつみとひろせはひどく、スワンボートに乗りたがった。
こしょうがひろせを殴ったので、ひろせが泣き出した。
で、鼻をかめと言ったら、俺の服で拭いた。
どうしようかと思ったが、ウマルがミサイルで着替えを打ってよこした。
なかなか役に立つところもあるようだ。
……が、やはり目立つな。
(日本語ノート。コメント、街中でミサイルはやめましょう)
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