終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2001年01月30日(火)

渡会 宗一郎


買い物の用事があったので、地下鉄で町に立ち寄った。
電車が込んでいたのか、下りたところで突き飛ばされて
突き飛ばされた拍子にうっかり切符を落として、
落ちた切符を拾おうと体を屈めたところを後ろから押されて、
……こけた。



たまたま叶さんが居合わせたので、
気恥ずかしい思いをした。
が、僕に悪戯できるくらい元気になっていたので、よかった。
渡瀬くんもいた。靴磨きをしていた。
彼がほんとうに、強く元気になってくれることを、
僕は願わずにはいられない。


にしても、眼鏡を買い変えなくては。



(手帳の罫線だけの欄。短いメモ)




ジブリール


どうしても外出すると言い張ったら、
侍従長が妙に機嫌よく許可を出した。
が、最近物騒なので、これを着ていけと、
ピンクのクマのきぐるみを渡された。
仕方がないので着て歩いていたら、妙に子供になつかれた。



樹海で、おろちに会った。
うっかり本当のクマだと思われてナイフを食らった。
が、着ぐるみに刺さっただけで平気だった。
おろちは……悩みが、多い。
錯綜する自らの悩みの中、願いの中、堂堂巡りを繰り返すおろちに
俺に贈ることができたのは、ただ、「おまえは人だ」という
その言葉だけだ。
……俺は滅多に、贈り物はせんのだが。



帰る段になって、侍従長が「帰るとき便利なぼたん」と
言っていたのを押してみた。クマの鼻の先だ。
…………と、着ぐるみの足から火が吹いて、
いきなり、飛んだ。しかも、何やら装置がついていて、
大使館に誘導、直行……直撃した。
二階の窓から、ちょうど侍従長の寝室だったのが、
天罰だったのだろう、と思った。
どうしてうちの連中は。目立たないようにということができんのだ?



ちなみに、俺は怪我一つしなかった。




(日本語練習用のノート。「ち」が「さ」になっている。赤ペンで補正済)



ジブリール


植物園に行った。
普通に……歩いてだ。
緑が見たくなって、温室に入った。
いん、という男がいた。……下の名前はむつかしかった。
いん、は、願いをかなえたのだと言った。
その願いの成就を、壊さぬために、保つために、いるのだと言った。
そのような情熱を水底に燃やした、静謐を持っていた。
守りたいのは、その身を半身とするものなのだとも。
……そのようであるがよい。



剣を交えた。
いんは双剣を使った。
よい腕だった。が、怪我をしていた。
途中でおひらきになった。
俺は脇腹に薄く怪我をしたが、なに、かすり傷だ。
また刃を交わしたいものだ。



(日本語練習ノート。アラブ流に右から左に書いてある。赤ペン、コメントナシ)




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