ジブリール
植物園で例によって羽を伸ばしていたら、
ゆめじという子供が来た。
発明が好きとみえて、時計にいろいろついていた。
独り、なのだと言った。
友人が陰口をきいていたのだとも。
……ならば、聞けばよいのだ。
俺には、簡単なことなのだが、な。
そうでもない人間もいるのだということは、知っているが。
そうこうしているうちに、またヘリで迎えが来た。
目立つからやめいと言うのだ。
(日本語練習用ノート。「し」が反対方向に跳ね、赤ペンで直されてる)
佐谷充彦
酒場、で、起きた。
紗羅がいた。……酒、かけられた。
ポッキー、鼻の穴に突っ込まれた。
しかもその現場を、ヘンなヤツに盗撮された。
トンカチで殴ってやろうと、追いかけたら、紗羅が邪魔した。
俺が、怯えている、と、言う。そんなこと、知らない。
殺してくれと言ったのに、殺してくれなかった。
生きることなんて、知らない。
(学生手帳の、端っこ。誰も読まないようにと、小さな字)
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