終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2001年01月27日(土)

渡会 宗一郎


酒場に行くと、古庄さんと広瀬くんと
いつか会った関西弁の少年がいた。
古庄さんはすぐに用事とかで出て行った。
風邪を引いているので体にいいという生姜を
コーヒーに入れて飲んでいたら、関西弁の少年が
一口というのでカップを渡した。
が、どうも、まずかったらしい。
背中に哀愁を漂わせて出て行ってしまった。
……悪いことをしただろうか。



ケチャップをトッピングしたタコヤキを食べつつ
しばらく広瀬くんと話していると、
スキンヘッドの少年が入ってきた。
なんだかよくわからないうちに鳩尾に膝蹴りを
もらってしまったが、どうも、憎めない少年だった。
もし人間が天国を見つけたら、どうすることも
できず、呆然と見つめるものなのかもしれない。
そんなふうに、なにかを、遠くから見ているように、思えた。
僕は彼に、問いを一つ、
「どうしたいのですか」という問いを一つ、贈り。



それから、『果てしない物語』の話をした。
僕の贈る問いは、いつもあまりにも抽象的なものだから、
その物語をすることで、少しでも伝わるだろうかと。
その意味を、少しでも伝えたいと、思ったので。
人間が、本当に望めることは、少ないのだと。――そう。
望みを持つことでしか、人間は自由になれない。
一つのものを選び取ることでしか、全ては手に入らない。
――出口は、見つからない。

僕の言葉は、伝わっただろうか。



(手帳の罫線だけの欄に、走り書き。電車の揺れのせいで、字、所々乱れ)




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