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■ 悠久の石壁、そして夕暮れ。
ジンバブエに暮らして、なんだかんだともう1年10ヶ月ほどになるけれど、グレート・ジンバブエ遺跡を訪れたのは、なんと初めてである。
グレート・ジンバブエ遺跡は、ハラレから300キロ余南下したマシンゴ郊外にある大きな石の遺跡群である。13世紀から15世紀頃の王国の名残で、王や民の住居跡があり、当時の生活や交易のあとなども残されている。中国の陶器や、ヨーロッパのガラスビーズなどがあり、さらに鉄製の器具類もあり、かなり進んだ文化として注目を集めていたが、発見当初、このように進んだ建築物や鉄器を扱う文化はアフリカにはありえないとして、エジプト辺りから南下してきた人々が作った王国だなどという学説が、植民地時代にはまかり通っていた。
(そんな遠くから来てどうしてこんなところに国をいきなりつくるのだ)
これほどの規模の建築物を作るのは容易ではなかろう。
静けさに満ちたその遺跡にたどりついたのは、もう日も傾きかけたころだったから余計そうだったのかもしれないけれど、悠久の時を経て、ひとつひとつ積み上げられた石の壁が、その昔これを作り、ここに生き、ここで死んだ人々の念のようなものが感じられる気がした。
王の権力、民の暮らし。壁の中で行われている儀式の数々。 預言者の語り。
静かな空気の流れが、耳の奥に聴こえる。 誰かの声すら聴こえるような気がして、どこか厳かな気分にすらなる。 わたしはここの人たちをリスペクトしなくてはならないのであろう。この国に降り立ち、わたしは今現在、この土地に立っている。
手のひらを伝い、ぎっしりと積まれた壁から流れ出てくる気の遠くなるような時間。そのあと、この国とこの国の人々は、長い歴史を経た。
ジンバブエとは、ショナ語で大きな石の家という意味がある。
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写真もう少しブログにアップ。
2007年06月17日(日)
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