あふりかくじらノート
あふりかくじら



 翻訳のテイストを知れば。

どうにもこうにも、翻訳というのは
語学力や背景知識のみならず、センスと勘のよさと、
ときにユーモアやら言葉遊びのテクやらを
微妙にマッチさせて作られる。
ここに、翻訳の芸術性というものがある。

ということは、翻訳者によって訳は千差万別。
文芸ならなおさらで、そのひとが小説を読めば
十人十色のイメージを持つに決まっているのだもの。
犯罪的なミスを犯したり、作品を殺してしまったりすることもある。
現にベッシー・ヘッドの……(以下略)

だとすれば、翻訳という仕事は非常に重要だ。
わたしの小説を誰かが外国語に訳そうとするのであれば、
それは素晴らしいことでもあると同時に、
非常に恐いことでもある。
翻訳者が、わたしのソウルメイトであってくれれば良いのだが。
その文章のセンス、生き方、考え方。
あと、なんというか趣味みたいなもの。

わたしは、ベッシー・ヘッドの一方的ソウルメイトであるつもり。
だから自分が訳してる今の作品には、最新の注意を払う。
彼女を敬愛するから。(墓参りもしたしね)

あと少し、1960年代のボツワナの農村にいるつもり。


2004年07月14日(水)
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