ケイケイの映画日記
目次過去未来


2019年07月05日(金) 「ハッピー・デス・デイ」




これは拾い物。タイムループものに、ホラーとユーモアを取り入れて、とても楽しめる作品に仕上がっています。監督はクリストファー・ランドン。マイケル・ランドンの息子さんなんですって。

女子大生のツリー(ジェシカ・ロース)。ブロンドのキュートな容姿を武器に、パーティー三昧で、男を食い散らかす日々。誕生日の今朝も悪夢にうなされて目覚めると、そこは昨日知り合ったばかりのカーター(イズラエル・ブルサード)の部屋。大人しいカーターには挨拶もせず別れを告げるツリー。しかしその夜、ベビーマスクを被った者に襲われた彼女は、確かに死んだはずなのに、目覚めると前日と同じカーターの部屋。以来彼女は一日の最後には殺される同じ日を、繰り返すようになります。

ビッチで傲慢、人の気持ちは踏みつけにしても平気なツリー。大学の先生と不倫までしちゃってる。これなら殺したくなる人は、幾らでもいるわなと納得(笑)。後から考えると、ここにも伏線がいっぱい。美人でもこんなに酷くちゃ、観客はツリーの味方になってくれないので、いっぱいユーモアを散りばめているのがいい。

私が面白かったのは、人前でゲップしたりオナラしたり、果てはマッパで歩いたりするツリー(笑)。「どうせ明日になったら、みんな忘れるわ」。そして自分は殺される。もうヤケクソなのよね。大笑いしますが、そこに彼女の悔しさや絶望も感じます。

タイムリープ物は、如何にこのループを抜け出すかに趣向が凝らされていますが、この作品はプラス、ビッチな女子大生が自分が殺される日々を重ね、普段の自分を鑑み反省する事が、スパイスになっています。成長するんですよ、ツリー。彼女の誕生日には秘密があり、それがビッチなツリーを作り上げているんだなぁと同情出来るように描かれています。

元は悪い子じゃないのよね。それがわかると、自分の子供のような気がして、俄然ツリーを応援したくなります。犯人も鑑賞後思い起こせば、辻褄もあっていました。

とにかく演じるジェシカが魅力的。若い頃のブリトニー・スピアーズにちょい似ていて、とにかくキュート。ホラーのお約束、大口開けて叫んでも、この作品は怖がらせるより笑わせないといけないのだけど、これもクリア。彼女の弾けたコメディエンヌぶりがなかったら、成立しないお話です。

「今の私を見たら、ママはきっと悲しむわ」と、ため息付きながら吐露するツリー。それはタイムリープではなく、ビッチな日々の事。タイムリープは、そんな娘を心配して、ママが念力を送ったんですよ、きっと。アメリカでヒットしたみたいで、続編が日本でも12日から公開です。絶対観るよ!


ケイケイ |MAILHomePage