ケイケイの映画日記
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2013年12月10日(火) 「REDリターンズ」




とっても楽しみにしていた作品(いやマジで)。すっかり書くのが遅くなりましたが、先週木曜日観ています。痛快でユーモアたっぷりだった前作より、スケールアップしていました。監督はディーン・パリゾット。

元CIAのスパイで現在年金生活者のフランク(ブルース・ウィリス)。現在は恋人サラ(メアリー・ルイーズ・パーカー)とラブラブの同棲中。そんなフランクの元に、元同僚のマーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)が、新たなミッションに誘います。平穏な暮らしに満足しているフランクは、断固拒否するのですが、成り行きでテロリストの汚名を着せられ、挽回すべく前線に舞い戻る事に。32年前の米ソ冷戦下の元、極秘に核爆弾が製造され、その秘密計画がまた進んでいると言うのです。元MI6のヴィクトリア(ヘレン・ミレン)と共に、核心に近づいていく彼らですが。

前作より、銃撃戦・火薬・爆弾・カーチェイス、そして配役など、全てにおいてスケールアップ!デヴィッド・シューリスなんか、重要な人物ですが、えっ、これで終わりですか?と言うくらい、ちょっとしか出ておらず、すっごく贅沢な使い方です。

なのに中身は前作よりチャラい(笑)。と言うか、そんなのは多分、どうでもいいんだと思います。チャらいのが愛嬌に見えるのは、ジジババでは案外難しいもんです。中身が薄いと、年寄りはバカに見えるもん。それを軽々やってのける初老の俳優たちの腕の見事さよ。何故彼らが若かりし頃から現在まで、名実ともの「スター俳優」でいられるのか、ものすごく納得しました。前作同様痛快さとユーモアも健在です。もう年かな?的ネタは少なく、色恋沙汰も前作同様盛りだくさん。

ロシアのスパイで元カノのキャサリン・ゼタ・ジョーンズ(相変わらずビッチで妖艶)との再会で、「ハロー、フランク」と、熱いキスを送られる還暦前のウィリスが、必死の笑顔でサラに取り繕うシーンなんて、本当にチャーミング。こういう部分は、年食ったって、男女ともあんまり変わるもんじゃァない(笑)。禿げて年食って、でも渋くなんかならずに、どんどん年齢を味方に、別のチャーミングさを身につけるウィリスって、素敵ですよ。

でもやっぱりこの作品で一番光り輝くのは、ヘレン・ミレンなんだなぁ。ユーモラスな殺人現場があると思えば、イ・ビョンホンを相棒に、カーチェイスの車中で両手の拳銃をぶっぱなすシーンのカッコ良さ、標的を仕留める時のセクシーさ。かと思えば、エリザベス女王のパロディまでやってのけ、本当に素敵!70前の「お婆さん」ですよ。日本には八千草薫と言う、いつまでも清楚で可憐な「お婆さん」がいて、女性の憧れの的ですが、欧米に目をむけりゃ、セクシーでカッコいいヘレン・ミレンありで、女が年を取るのも楽しみになってくるじゃありませんか。

お茶目なマルコヴィッチ、年齢より随分若手の役回りを可愛くこなすメアリー・ルイーズ・パーカー、貫禄とユーモアの中に狂気を忍ばせるアンソニー・ホプキンスなど、皆が皆抜群の存在感を見せる中、ここでは若手のビョンホンだけが、ちょっと物足らない。いつも通り脱いで、キレのいいアクション見せて、登場時間もたっぷりなんですが、印象が薄いです。韓国映画では卓抜とまではいかずとも、そこそこ演技力もある人なんですから、これは本人と言うより、使われ方・望まれ方の問題かも?韓国俳優で世界的に活躍中は彼だけですから、個人的には頑張ってもらいたいです。

全員がシリアスなドラマでも主役を張れる人たちが、おふざけアクションコメディを嬉々として演じて楽しむのを、観客も一緒になって楽しむ作品。


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