ケイケイの映画日記
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2013年08月11日(日) 「マジック・マイク」




ヒューヒュー!主演のマイク役チャニング・テイタムが、19歳の時、本当に男性ストリップをしていた経験を元に映画を作りたいと、スティーブン・ソダーバーグに持ち込み、首尾よく映画化した作品。マイクや同僚たちのストリッパーとしての生態や葛藤など盛り込んでいますが、基本イケイケのストリップ場面が売りの作品(個人的考察)。もぉ〜超楽しかった!欲を言えば、ドラマ部分は半分に削って(それ以下でも可)、ステージ場面に充てて欲しかったです(笑)。

昼はガテンな仕事をしながら、夜はダラス(マシュー・マコノヒー)の店で看板ストリップダンサーとして踊るマイク(チャニング・テイタム)。お金にも女にも困らないこの仕事を気に入ってはいますが、手作りの家具の店のオーナーになるのが夢です。ある日仕事先でアダム(アレックス・ペティファー)と知り合ったマイクは、偶然が重なり、マイクは店のダンサーとして舞台に立つ事に。初々しい彼は、たちまち人気ダンサーとなります。身持ちが堅く真面目なアダムの姉ブルック(コディ・ホーン)は、派手な世界に入った弟を心配します。今まで出会った女性たちとは、明らかに違うブルックと接するうち、マイクは今の生活に疑問を持ち始めます。

なんたってダンスシーンがカッコイイ!腰をクネクネ、胸板も厚いマッチョでハンサムな男性たちが踊る姿は、とってもホットでクール。華やかでセクシーなれど、猥褻感は意外と薄く、それは意外でした。だからジョークに映っても、下品にはならない。観客は女性オンリーで、そりゃすごい嬌声っすよ。この恥じらい全くなしの盛り上がりも、とっても良かった。とにかく明るいのなんの。ダンサーたち、みんな仲がよくチームワークがいいのも印象的。

手を変え品を変え、ダンスシーンがふんだんに出て来て、その度にこちらの気分もアゲアゲ(笑)。ただ踊っているだけではなく、観客を舞台に呼んで、寸劇混じりの事をやったり、自分たちも役を演じたり衣装を手直ししたり、鍛錬を怠りません。女性のストリップも観た事ないけど、こんな感じかな?その生真面目な姿に、ちょびっと心打たれるもんもあります。あっ、金粉ショーもあった(笑)。

チームのケン(マット・ボマー)が妻帯者だったり、女漁りはすれど起業のため貯金に励むマイクなど、私生活も意外と真面目だったりします。(たまに酒池肉林もあり)。この辺は、テイタムの意見も取り入れているのかしら?そんな中、今までの地味な生活から一変してしまったアダムだけは、ドラッグと女性に溺れていきます。

ザ・お水の世界の中で、一人気を吐くブルックに、次第に惹かれていくマイク。彼がいくらお金を掴んでも、自分が浮き草稼業だと痛感したのは、銀行に融資を断られた事以上に、親しく付き合っていた客のジョアンナに、実は遊ばれていた事を知った時じゃないでしょうか?いやマイクだって遊びなんだけど、意味が違うわけ(観て下さいね)。世間より一段下の男に見られている屈辱を、痛感したはずです。

とまぁ、色々葛藤や苦悩はあるんだけど、描写はペラい。マイクも家具屋になりたいのか、ダラスと共同経営したいのか、両方なのか、何故なのか、その辺は全く説明なしだし、すれ違い気味のマイクとブルックの会話も上滑りです。

と、ドラマ部分はイマイチよね、と思っていると、またステージ場面が来て、ヒューヒュー(笑)。そして核爆弾のように、マコノヒーのフューチャーシーンが登場します。これが濃いのなんの。アダムに踊りを教えるシーンなど、百戦錬磨を思わす腰の振り方で、圧倒されます。圧巻はラスト近くのマコノヒーの舞台。今まで散々見てきたキレのある踊りは、あれは何だったんでしょうか?と言うくらい、年季の入った男の色気満開の、これぞ男性ストリップと言うステージを見せてくれます。いや踊りだけならテイタムが断然上手い。でもストリップはそれだけじゃないぜ!と言わんばかりなんだなぁ、あのお尻(笑)。

アダムの初舞台の時に流れた曲が、マドンナの「ライク・ア・バージン」だったり、ダラスの時は、火を噴いと思ったら、流れて来たのはキッスの「悪魔のドクターラブ」。この曲のボーカルはポールではなく、火を噴くジーンなんですねー。ラストに流れるマコノヒーのカントリー調の歌といい、楽曲選びのセンスが、大変良いと思いました。

出演者では、とにかくマコノヒーがダントツの存在感です。狡猾でやり手の経営者にして、ストリッパー上がりである事もちゃんと基盤に出来る才覚の持ち主であると、感じさせます。またしても怪演するマコノヒーですが、これからどこに行くのかしら?目が離せません。ブルック役のコディは美人ではありませんが、実直な地に足がついたブルックを演じて、好感が持てます。テイタムも私は良かったです。唯一ペティファーだけ、ずーとメリハリを全く感じない演技で、?。役作りだったんですかね?ハンサムだけど、私にはあんまり縁のなさそうな人です。

セックスそのものを感じさせる踊りや寸劇などですが、エッチなんだけど笑い飛ばしながら、意外と爽やかに観られます。映画なら、こそこそ見る必要もなし、女性の方はどうぞ一度ご覧になっては如何でしょうか?舞台だけでも、充分元は取れます。実は私ももう一度観たいです(笑)。


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