ケイケイの映画日記
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2012年09月02日(日) 「プロメテウス」(3D字幕)




何故か「エイリアン」前日譜である事は秘されて、「人類は どこから 来たのか。人類最大の謎、それは《人類の起源》」と言うキャッチコピーで宣伝されています。後者なら疑問がいっぱい残りますが、前者なら納得。でも映像は大層見ごたえがあったけど、内容は平凡であんまり面白くなかったです。監督はリドリー・スコット。

2089年、科学者のエリザベス(ノオミ・ラパス)は、古代遺跡から地球外生命体の存在を確信し、探索するため、恋人のホロウェイ(ローガン・マーシャル・グリーン)と共に、巨大企業ウェイランド社が出資する宇宙船プロメテウス号に乗り込みます。2093年、人工冬眠から目覚めたクルーのメンバーは、ウェイランド社のメレディス(シャーリーズ・セロン)、世話係のアンドロイド、デビッド(マイケル・ファスベンダー)の他、十数人。彼らの目指す惑星に到着。しかし探索中に惨劇が起こります。

もうなんか、丸っきり「エイリアン」ですね。「エイリアン」も30年ほど前の作品なので、あまり覚えちゃいませんが、シンプルなプロットながら、とにかく今作と同じリドリー・スコットが撮った「1」とキャメロンが撮った「2」は、抜群に面白かったです。それ以降の「3」「4」は、私的にはあんまり面白くなかったですが、この作品は残念ながら「3」「4」レベル。

宇宙船の内部、地球外生命体の発見までの様子、ウェイランド社の秘密、エリザベスの奮闘、エイリアンとの戦い、男気あるクルーの行動など、見所は全部「それなり」。これまでのこの手のパニック映画の既視感バリバリの様子が面前に続き、途中寝落ちしそうになりました(ごめん)。

じゃ、見所はなかったのか?と言うと、さにあらず。とにかく映像が美しかったです。「エイリアン」の時も、グロいはずの画面からでさえ、監督の美意識の高さを感じましたが、今回もそれは健在。特に気に入ったのは、デビッドが地球外生命体の文明に触れるシーン。崇高な輝きと感激に溢れていたと思います。3Dもここが一番良かったです。

と言うか、それ以外3Dの必要はあまり感じなかったなぁ。本当は2D字幕で観たかったのですが、2Dは吹き替えしかなく、仕方なく300円アップでこちらをチョイスしましたが、上映回数を少なくしても、もっと選択を増やして欲しいと思います。

俳優はファスベンダーが出色。「2」のビショップは、アンドロイドと言うことで、クルーから蔑まれていた記憶があるんですが(違うかな?)、今回もそれがあって、アンドロイドの悲哀を感じさせます。クルーが眠る中、一人映画(「アラビアのロレンス」)で人間の様子を習得する姿に、ユーモアと共に哀愁を感じました。ファスベンダーは、感情がないはずのデビッドの心模様を感じさせる匙加減が抜群で、一番存在感がありました。この人、本当にどんな作品でもいいです。すごいアベレージで感嘆します。

ビリングトップのノオミですが、演技の出来云々の前に、華が無さ過ぎ。この役はナタリー・ポートマン降板で彼女に回ってきた役だそうですが、大作を背負うには、荷が重かった模様。セロンも冷血な役柄を好演していましたが。如何せん彼女を活かす脚本ではなく、今回は損な役回りでした。

私はSFは好きではなく、上記二作の他は、「スピーシーズ」や「第9地区」みたいな「俗っぽいSF作品」が好きなので、リメイクの「トータル・リコール」観た方が良かったかな?と、微かに思ってしまいました(またごめんよ〜)。リドスコだから安心さ!、と言う訳ではないんだと、良い教訓になりました。


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