ケイケイの映画日記
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2012年02月08日(水) 「ペントハウス」




アメリカでは大人気のコメディアン、ベン・スティラーですが、日本ではイマイチ人気がありません。私は結構好きなんだけどなぁ。いつもは小学生の悪ガキが、そのまま大人になったような役柄が多いスティラーですが、今回は男気溢れる漢な役柄で、なかなかの男前っぷりです。作品の出来は平凡ですけど、そういう意味では観て損はないかも?監督はブレッド・ラトナー。

マンハッタンの一等地に建つ超高級マンション”ザ・タワー”。その最上階に住む富豪のショウ(アラン・アルダ)が、金融詐欺でFBIに逮捕されます。マンションの敏腕マネージャーで部下の人望もあるジョシュ(ベン・スティラー)は、スタッフの年金の運用をショウに任せていたたため、その金も損失してしまいます。憤懣やるかたないジョシュは、スタッフのお金を奪い戻すべく、ショウの部屋に隠された大金を、素人ばかり集めて強奪しようとします。セキュリティの完璧な”ザ・タワー”、果たしてジョシュは大金を手に手にすることが出来るのか?

画像を見てのお解りのように、キャストはとっても豪華。泥棒軍団はエディ・マーフィーにケーシー・アフレックス、マイケル・ペーニャにマシュー・ブロデリク。この他女性陣は、FBIの捜査官にテア・レオーニ、メイドにガボレイ・シディベ。この人たちを使いたい!が脚本より先に来ていたんでしょう、後付の理由でお話が動きますが、それぞれいい味出してたんで、不問です。この作品はマーフィーの企画だそうですが、相変わらずの軽口叩きまくりで元気なのを確認し、なんか嬉しい。

私はこんな億ション、入った事もないので知らなかったのですが、分譲でも、高級ホテルのようなサービスがついてんのね。白人専用みたいなセリフが出てきましたが、働く人は黒人にヒスパニック、アジア系と多国籍軍。その辺は企画がマーフィーと言うのが伺えます。

その市井の人々であるスタッフのため、ジョシュは大奮闘。いつものお下品な悪ふざけはどこへやら、トム・クルーズばりに走ったり宙吊りになったりで、大活躍。のんびりぬるい展開も、後半へ向かうに従って、本格的アクションとなり、それなりにハラハラしながら楽しめます。素人のドタバタさが、返って健気に見えるんだなぁ。

ジョシュが強奪を決意したのは、定年間近のドアマンが、ショウに貯金全額を預けていたため無一文になり、自殺を図った事がきっかけです。知らぬ顔で保釈金を出し、権力者に嘆願し、無罪目前のショウ。観ている庶民の私たちも憤慨しますよね?権力者の横暴に泣き寝入りは、大なり小なり庶民なら経験があるもんです。それをジョシュが代弁してやっつけてくれるんですから、気分は痛快にして爽快。素人軍団だけではなく、弱者のはずのスタッフも一丸となって頑張ったと言うのが、後味も良くさせています。

もっと笑えるコメディかと思っていたけど、ユーモア溢れる犯罪映画と言うべきかな?DVDでもいいかと思いますが、スティラーが好きなあなた!ラストの颯爽とした男前の彼の笑顔、含蓄があるので是非観てください。私はあれだけでも元が取れました。


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