ケイケイの映画日記
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2010年04月11日(日) 「シャッターアイランド」(超吹替え版)




「結末は決して誰にも話さないで下さい」系ミステリー。そういうウリで宣伝していますが、そのお陰で、私のようなすれっからしの映画好きは、早々にオチがわかってしまいました。雰囲気や細かく行き届いた演出はとても良かったのに、お陰で観終わった後は肩透かしの印象が残ります。時間の関係で「超吹替え版」で観ました。面白かったら字幕版でも観ようと思っていましたが、その必要はなかったです。監督はマーティン・スコセッシ。公開間もないので、頑張ってネタバレなしで書きます。

1954年のアメリカ。連邦保安官テディ(レオナルド・ディカプリオ)は新しい相棒のチャック(マーク・ラファロ)と共に、シャッターアイランドと呼ばれる孤島にある、精神病を患った犯罪者を収監するアッシュクリフ病院に船で向かっています。収監されている患者のレイチェル・ソランド(エミリー・モーティマー)が病院から抜けだし、その調査を依頼されたからです。院長コーリー(ベン・キングスレー)の元、病院は厳重に管理されており、謎は深まるばかり。テディはレイチェルの件の他、亡くなった妻ドロレス(ミシェル・ウィリアムズ)の死に関係しているアンドルー・レディス(イライアス・コティーズ)がこの病院に収監されていると睨み、秘かにその調査も兼ねていましたが・・・。

売り方が間違っていると思います。せっかくキングスレーを筆頭に、胡散臭さ満点の脇役陣(マックス・フォン・シドー、ジャッキー・アール・ヘイリー、コティーズ、パトリシア・クラークソン)がきっちり演じてかく乱してくれているのに、あんなドンデン返し系を売りにしちゃ、早々にオチには気付いてしまいます。

しかしそこはスコセッシ、演出は重厚な中にも幻想的な哀しみがあったり、オドロオドロシい気持ち悪さがあったり、とてもいいです。その辺がドンデン返しのためのドンデン返しに気を取られて、あのプロットこのプロット、煽るだけ煽って始末をつけないシャマランとは大違い。上映30分頃から、後でツッコンでやろうと思って観ていましたが、辻褄はほとんど合ってました。この辺はさすがはスコセッシと言うところで、ネタがばれても、最後まで引っ張る見応えはありました。

が!!!いよいよネタバレの段階になり、えっ?やっぱりその理由だけ?となると、イマイチ今映画化した理由が見つけられません。気持ちはわかりますが、現代は精神的な病も増え、アメリカなどは歯科に行くより精神科に行く人の数の方が多いと聞きます。せっかくスコセッシが撮るなら、今から50年以上前のお話でも、どこかに現代的な味付けが欲しかったです。

ラストの「怪物として生きるか、良い人間として死ぬか」という自問自答は、ある手術を施されることに対しての、精神的な死を意味しているのでしょう。その時その人は、「正気」であったと私は思います。ここでやっと少し気持ちが収まりました。

レオはいつも通りの熱演でした。相変わらず華のある人ですから、内容はイマイチでもそれなりに彼には満足感が得られます。マーク・ラファロは、上り調子なのが実感出来る演技です。ぼちぼち主役が観たいです。今回超吹替え版の翻訳が、例のあの方だったのでちと不安でしたが、別段不具合なく声優陣も役者を立ててでしゃばらない好吹替えでした。でもこれくらいの内容なら、字幕でも混乱することは少ないと思いました。


観てきたことを夫に言うと、「どうやった?」と聞かれたので、「私のような映画のすれっからしは、すぐにオチがわかってまうわ」と言うと「ほな俺みたいな純情なもんは、楽しめると言う事や」と言う返事が返ってきました。うんうん、そーかも?。と言う事で、これからご覧になる方々は、純情でありますよう、祈っています。


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