ケイケイの映画日記
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2007年06月03日(日) 「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」


昨日夜の回を夫と三男といっしょに観て来ました。夜なんでそこそこすいているかな?と思ったら、超満員でびっくり!しかし超満員だからと言って、すっごく面白いかどうかは微妙。前作の「デッドマンズ・チェスト」は、今回の壮大な予告編だと思ったんで、あんなもんかなぁと納得しましたが、その壮大な予告編よりもっと感想が微妙って、それってダメじゃん。

東インド会社のベケット卿(トム・ホランダー)は、デイビィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)の心臓を手に入れ、世界を我が物にせんと企んでいました。折りしも海賊たちは「伝説の海賊9人」が集まり、それを阻止しようと集結。しかしその中に行方不明のジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)も含まれており、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)たちはスパロウを懸命に探します。

長い!長い長い長い!それなのに中身が薄い!
退屈したとは言いません。でもさ、途中の一時間はあってもなくても良かったと思うよ。無駄に長いので内容がこんがらがってわかりづらいのです。味方だと思ったら敵に寝返り、登場人物が多く、あっちこっちでそれが起こります。最初から二時間は延々これの繰り返し。それも息詰まるどんでん返しとかではなく、姑息な私利私欲なんで、観ていてまたかい!と、うざいです。その間、見せ場らしい見せ場もなく、笑える場面もおサルに頼るというのも、何だかお寒いです。

これだけ長丁場なのに、ウィル(オーランド・ブルーム)父子、エリザベス父娘の親子愛、ジョーンズの聞くも涙語るも涙(に出来たはず)の心臓の秘密、小汚いのに色っぽくてええ感じのティア(ナオミ・ハリス)の秘密も、全部中途半端にしか描けていないし、海の女神の正体もあれで終わりってどういうこと???スパロウ初登場シーンも、全然なんで再会出来たかわかりません。蟹に秘密があるのは確かなんで、これも後から出てくる後ろで糸を引く蟹サンの大将のせいだと説明出来たとしても、あの落とし前のつけ方はなかろう?

最大のびっくりはチョウ・ユンファ扮するサオ・フェン。出演あんだけ?予告編を観たら、ジョーンズに対を張るくらいの敵役だと思うよね?全然いてもなくてもいい人で、エリザベスを「ほにゃらら」にするためのご都合主義目的で、アジアの大スターを使うなんて何て贅沢なのかしら(皮肉)。白目まで真っ赤にして、不気味なサオの役作りをしていたユンファが可哀想でした。

やっとラスト一時間を切った頃から海洋大活劇っぽくなってきて、剣を使った戦いや、アクション場面に見応えが出てきます。しかしここでもベケット卿には意義あり。あの姿は何?あんたあれだけ自分も散々なことやっていおいて、あの姿はアホ過ぎちゃいますか?たくさんの登場人物の心の動きや行動に整理がつかないまま、あー、ここはアトラクションに使う気やねんわ、という場面をふんだんに盛り込み、時々ウッソーン!!!と目が点になるご都合主義も振りまきながら、それなりに退屈はさせない三時間の「超娯楽大作」でした。だから昨日観たのに、もう既に記憶は忘却の彼方。いや映画なんてね、本当はそれでいいと思うんです。もっと面白かったら。

完結編と言いながらも絶対次も作る気満々みたい。エンドロールの後に、最初に登場したシーンにつながる部分が出てくるので(多分そうだと思う)、腹立つほど長いエンディングも、席は立たないで下さいね。

「お父さん、『○×△■』の役、キース・リチャードやで」と私。「そうやったんか。それで、キース・リチャードって何もんや?」とは夫の返事。これだけ趣味嗜好が違う夫婦が、曲がりなりにも25年、円満に夫婦やっているのかと、キースのお陰で感動させてもらいました。それを横で聞いていた三男、「あの『○×△■』役の人って、『ほにゃらら2』の二役と違ったん?そっくりやったやん!」だそうです。


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