ケイケイの映画日記
目次過去未来


2007年03月19日(月) 「ナイト・ミュージアム」


初日の夕方、夫と末っ子と観て来ました。最初は末っ子と二人で観る予定でしたが、このところのすっかり逆戻りの寒さに、ラインシネマまで車で送ってくれると夫が言うので、それならいっしょに観ようということに。だってうち、夫婦50割引が使えるんだもん。これなら会員料金1300円の私に、あと700円足したら夫婦で観られるのでね。普段は年寄り扱いしている8歳上の夫ですが、こういうお得もあるわけで。出来は普通に面白いくらいでしたが、私はところどころこ小ネタで大爆笑してしまい、充分楽しませてもらいました。

起業家を志すラリー(ベン・スティラー)は、夢ばかり追いかけて今は失業中の身。妻には愛想をつかされ離婚、一人息子ニック(ジェイク・チェリー)とは週末に会えるだけです。今の環境はニックの教育上よろしくないと言われたラリーは発奮、国立自然史博物館の警備員に雇われます。昼間だと思っていたラリーですが、仕事は夜警。三人の前任者の老人達(ディック・ヴァン・ダイク、ミッキー・ルーニー、ビル・コッブス)から、不思議な引き継ぎ方をされたラリーですが、次の日から仕事は開始。しかしこの博物館には、とんでもない秘密が隠されていたのです。真夜中のなると、展示物たちに一斉に生命が宿り、動き出すのです。

私は「ジュマンジ」が大好きだったので、その系統かと思い、観たいと思いました。国立博物館の展示物が動き出したらどうなるか?のアイディアありきだったのでしょう。あれこれ継ぎ合わせたような内容で、ストーリーとしては「ジュマンジ」にはかなり劣ります。CGも別段目新しさはなく、どうということはないのですが、その代わりパートパートのプロットが面白いし好感が持てます。

先住民族の女性に恋する蝋人形のアメリカ大統領なんて、とっても素敵でしょう?謎のジイ様三人組も、年寄りを描くと、教えを乞うたり人生の先輩として目標にしたりと、敬意を表して描かれることが多いですが、このジイさんたちの生臭さは案外リアルで、これはこれで楽しいもんです。ディック・ヴァン・ダイクなんか、齢80にしてちゃんとオーディションを受けたというのだから、偉い!何しゃべってんだかわからんフン族のアッテカは、声を張り上げまくって愛嬌のあるアニマル浜口みたいだし、ファラオはイマドキのカッコイイ若者で、これまたポイント高し。展示物たちにチャーミングさが感じられ、アイディアは成功です。

ロビン・ウィリアムスは、特別出演扱いでも良かったくらいの役ですが、脇役も楽しんでいるようでした。オーエン・ウィルソンは結構出ていたのに、なんでノンタイトル?でも一番謎は博物館案内役のカーラ・グギーノ。あちこちでセクシー路線突っ走る彼女、何故に今頃個性のない、清楚で知的なだけの役柄に出るの???別にあってもなくても対して筋に絡む役でもなし、彼女でなくても、その辺のお姉ちゃんで充分の役です。謎だ。他にはやっぱりジイ様三人組は、往年のファンには嬉しいプレゼントでした。

アメリカでは大スターのベン・スティラーですが、あまり出演作を観たことがなく(「メリーに首ったけ」くらいしか覚えちゃいない)、この作品でのダメ父ちゃんを返上すべく、頑張る姿は好感が持てました。私が爆笑したのは、お猿のデクスターとのやりとり。バカにされた仕返しに、やり返すときの様子は、猿相手に大人気なく得意満面。かと思ったら、マジで対抗するその姿は、まさに”この人”にそっくりと思っている私に、横にいる息子がひそひそと、「うちのお父さんみたいやな」。

あれは上の息子たちが幼稚園の頃。毎晩息子二人を寝かしつけるため、右の腕には次男の頭、左の腕には長男の頭の腕枕、そしておっぱい片方ずつ握られた私の姿がありました(毎晩だ)。ある日寝床へやってきた夫は、「お母さんのおっぱいはな、本当はお父さんのもんなんや。お前等が小さいから貸してやってただけや。もう幼稚園になったから、今日を限りに返してもらう」

息子達の怒りや凄まじく、まるで野生の猿のようでした。そらそうでしょう。このくらいの年齢の子は、まだまだおっぱい命ですから。嬉々として、怒り狂い夫に噛み付き毛をむしる息子達を、バッタバッタと跳ね返す夫。自分が遊んでいます。げんなりする私。時は過ぎ次男から七歳離れた三男が保育園の時、このオッサンはまた「このおっぱいはな・・・(以下同文)」。何と成長のないオッサンやと、また嘆く私。こんなことばっかりの日常なのに、何故私はもうじき銀婚式目前かというと、やっぱりラリーのように「お父さんて、すご〜い!」という瞬間も、幾度か経験しているからです(数少ないが)。

最近アメリカ映画は、離婚した父親の父権復活が隠れテーマになった作品が多いように感じます。この作品のラリーも、「これで一発当てて、お前等に楽させたるからなぁ〜」と実現しないことを、ずーと夢見る夢男さんだったのでしょう。ギャンブル・女・暴力などで妻子を困らせる男は、燃えないゴミの日にほかせばいいですが、ラリーのような「これがなきゃいい人なのに」の夫は、もう少し待ってみませんか?男の人は腐っても鯛です(元)夫がイキのいい鯛に変身するのが、蝋人形の一言だったなんて、こんな妻のプライドが傷つく話はありません。夫と言うのは、成長の遅い種族です。この作品を観て、よし蝋人形なんかに負けるもんか!のお母さんが増えることを期待してしまう、息子ニックの父親への笑顔が印象的でした。

このように、家族で観ると色々楽しい作品です。大人一人で鑑賞はちょい厳しいかも。吹き替え版もありますので、春休みにご家族でどうぞ。


ケイケイ |MAILHomePage