ケイケイの映画日記
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2006年01月18日(水) 「THE 有頂天ホテル」


わ〜い、面白いぞー、期待通りだぞー。昨日ラインシネマで観てきました。平日お昼1時20分の回が超満員。それこそ老若男女で埋まっていて、皆さんクスクスゲラゲラ。こんな楽しい作品は、そういう一体感が作品をより面白くさせるもんですね。

大晦日の「ホテル・アバンティ」。実直誠実な副支配人新堂(役所広司)始め、カウントダウンの用意とパーティに、慌しく従業員たちは働いています。そこへ難問奇問が続出し、果たして無事ホテルはシンネンパーティーを迎えられるのでしょうか?

多彩な出演者が織り成す、いわゆる”グランドホテル形式”と呼ばれる喜劇です。監督三谷幸喜も充分に意識しており、ホテルのスイートの部屋にはこの形式の元となる「グランドホテル」の出演者、グレタ・ガルボやジョーン・クロフォードの名前が配してあります。キラ星の如く主役級の俳優、脇役でも必ず印象に残る演技をする俳優たちが集まり、多彩なエピソードを面白く見せてくれます。俳優の名前は書ききれないのでカットしますが、えっ!あの人があんな役をのお楽しみのあるので、予備知識無しで観た方が面白いかも。

少し無理があるなぁと思うエピソードもなきにしもあらずですが、各々俳優さんたちがしっかりお仕事してくれるので、気にはなりません。省いて良いと思ったエピソードは、川平慈平と恋人のエピソードくらい。ちょっと中だるみしてきたかなぁと思うと、必ず挿入される伊東四郎の白塗りの顔(理由はお楽しみに。くだらないけど楽しいです)が私にはツボで、またゲラゲラ。誰がやっても面白いってもんじゃない、同じことを何度も繰り返しても、慈英のように鬱陶しくないんですから、やっぱ伊東四郎は腕があるなぁと感心しました。

最初に「仕事が出来る誠実な男」を印象付けた新堂ですが、かつての妻由美(原田美枝子)と再会するや、いきなり見栄っ張りの信じられない嘘の上塗りを続ける姿に、これは新堂のいう金銭的なことで別れたのではないなと感じました。由美が好きで好きでしょうがなかったのですねぇ。だからいつでもいい格好がしたい。しんどいですよね。そんな夫を見るのが辛くて、由美は身を引いたのではないでしょうか?新堂がどんな人か、彼のアシスタントの矢部(戸田恵子)に語る姿に、そんな気がしました。

他に印象に残ったのは気のいい娼婦の篠原涼子。彼女はある時を境に、すごく上手くなったなあと感じましたが、それは今のご主人(市村正親)と付き合い始めた頃です。いっぱい彼から吸収したのでしょう。今後もすごく楽しみな人です。ご主人がお年寄りになっても、どうぞ愛してあげて下さいと、津川雅彦のエピソードで思ってしまいました。

ちょっとラスト20分くらいは早送りですが、まぁそんなに気にはなりません。それよりよくこれだけ出演者みんなに、見せ場が作れたなあと感心します。三谷幸喜らしくシチュエーションで笑いを取り、誰も貶さず下ネタなしの品の良い笑いでずーとクスクス、時々爆笑と、とっても楽しい二時間です。私はこのホテルには宿泊客ではなく、従業員として働きたいな。


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