ケイケイの映画日記
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2004年12月20日(月) 「誰にでも秘密がある」

今年99本目の作品です。年の瀬の押し詰まった日曜日に、お気楽に友人と観てしまいました。良くない評判ばかり目にするので、もっとユルユルの出来なのかと思いきや、意外やとても楽しかったです。胸をはだけたセクシー・ビョンホンに、3人の下着姿の美女のポスターを見た方は多いと思いますが、あのまんまゴージャスな艶笑コメディで、ウッフ〜ン、アッハ〜ンなムード満載、終始クスクス笑いっぱなしでした。

母親がオーナーのクラブで、ジャズシンガーのアルバイトをする女子大生のミヨン(キム・ヒョジン)は、恋愛や性に対してとても奔放な考えの持ち主。今日も歌いながら素敵な男性を物色中。目にとまったのが、プレイボーイ風ながら品の良いスヒョン(イ・ビョンホン)。果敢に彼にアタックする彼女は、あっという間に婚約まで漕ぎ着けます。しかしスヒョンは、ミヨンの長姉で人妻のジニョン(チュ・サンミ)や、次姉の27歳にして勉強の虫で未だ処女のソニョン(チェ・ジウ)とも怪しい仲に・・・

と言うお話。一人のプレイボーイと3人の美女ということで、若き日のアラン・ドロンのラブコメ・「お嬢さん、お手やわらかに!」を彷彿させます。こういう作品は、演じる人たちの容姿が美しいだけでなく、どこか育ちの良さを感じさせないと、下品になりがちですが、その点は合格です。ビョンホンは、青年実業家というよりお金持ちの息子風で、女性陣を惑わすキザなセリフや振る舞いも、こんなに素敵ならそりゃポーっとなるでしょう、と思わすのに充分。

姉妹の方は、チュ・サンミは中谷美紀を年を取らせてふっくらした感じで、可愛くしっかりした長女・奥さんぶりです。こんなに可愛い妻にセックスアピールを感じない夫など、そんなダメ亭主と思うのですが、この夫が俗人ぶりもおかしくコミカルなので、深刻な感じがしません。
チェ・ジウは、「ジウ姫」と称されるイメージが良い意味で覆される好演で、泣いたり笑ったり喜怒哀楽が激しい役ですが、中々のコメディエンヌぶりです。ロストバージンのシーンなど、経験がないのでエロビデオで勉強をした成果を発揮しようとするのですが、アップになるとふっくらした頬、つぶらな瞳の童顔が愛らしく、いやらしさがありません。あなた、女性は最初の時は怖がっているだけでいいんです、と微苦笑しながら見ていました。

拾い物は三女役キム・ヒョジン。最初出てきた時は、濃すぎるアイラインとつけ睫毛が鬱陶しく、整形天国の韓国なんだから目をくっきりすればいいのにと思っていましたが、喋りだすととても快活でチャーミング。シンガー役なので特訓したとかで、歌い踊る姿はすぐにでも本職になれそうな上手さで、スタイルも抜群です。その他、姉たちに容姿のよき遺伝子の全てを吸い取られたような長男役・チョン・ジョヒョンの、愛嬌のある雰囲気と演技が楽しませてくれます。

姉妹の家がちょっとしたお金持ちの設定なので、ゴージャスなお屋敷や調度品、衣装なども目を楽しませてくれます。どうしてほわんほわん、お手軽にエッチしてしまうのに、いやらしさをあまり感じないかというと、バストやお尻の露出がなく、白いベッド・白いシーツにくるまれて、BGMは懐かしの日本のムード歌謡風で、清潔感とミスマッチなロマンチックが笑いを誘うからだと思います。それだけでなく、ビョンホンとヒョジンがいっしょにお風呂に入るシーンでは、豪華な湯船にいっぱいのバラの花が浮かべられため息もの。こっちは本当にロマンチックでした。長姉とだけ、おぉファックシーンという感じですが、着衣のままですし(チョゴリ姿だ!)、こちらのBGMは情熱のラテン風です。まぁ人妻ですから。

艶笑といっても、スペインのアルモドヴァルやベガス・ルナのようなストレートなダイナマイト級ではなく、昔懐かしのイタリア風です。話の流れもスムーズでした。女性が純潔や貞操を捨てると、一皮向けた自分がわかると言う描き方は私も同意しかねますが、一面真理でもあると思います。いい方向に転ぶばっかりじゃないぞ、という限定つきでOKかと思います。

それにしても、彼女達のお父さんは、さぞ艶福家であったことでしょう。(意味は映画をご覧になってお確かめを。)ビョンホンファン以外の方にも、私はお薦めしたいです。






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