+シコウカイロ+
此花



 完全

日常は至って普通。
物珍しいこともないから
たまには弾けて消えるのもいいんじゃないかと
つい思ってしまう。
自分の住んでいる世界は
退屈だと思いながらも
そういうものであって欲しい。
何もないことは幸せなことだからナ

たまにダイブするなら君と一緒に。

ちょっとしたハットトリックも
なかなか様になってるだろう?
ギリギリの線で
君を愛しながら傍にいるよ

ソウシソウアイなんてわかんないけど
それでも必要としてるのは俺。
離れながらも無条件に
距離を感じないのは何故だろう

理屈はいらないから
この奇妙な愛も 多分 根源は同じ

誰にも解けないパズルの中には
君への愛が隠れている
見えないようだけど
ピースを集めれば何となく
引っかかるキーワード?

全てが導き出される。

完全は必要ない。

2001年03月22日(木)



 Key

黒いカバンに詰め込んだ
必要最低条件的物。
アイに似た愛(love)や目(eye)や相(you)
見えないDead Lineを超えて
更なる世界を従えて生きる。
そのフォルムに現れた強靭(狂人)な精神は
何を求めたの?
行く手を阻むものを破壊し尽くして
何を創造(想像)するつもりなのか。

Push the keyword on・・・

今ここに何かを造り出せるとして
君が望むものは何?


覚醒を待つ人々が 救いを求めて
手を伸ばす


完全は不可能。
補完することは存在確定のための
手段にほかならない。

それでも君は望むだろう
“未来"を―――



2001年03月23日(金)



 体内

毒を吐く 腐れオチタ塊を踏み潰して
大地は汚れを一飲みすると小さくため息を吐く。
毒を吐くことで浄化されるコノカラダ。
優しいコトバなどかけられない。
死を唄う声に耳を傾ければ永遠の眠りが
君を包む。
柔らかい日差しも美しい緑も
この身体から吐き出される毒に汚される
全ては醜く 美しく
毒を吐くことでしか生きていけない
そんな自分を 大地は呑み込む
ただの一点も
汚れないきみの身体に
僕を呑み込むことで
僕をこの毒から解放しようとしてくれる
優しい君
だからこそ
僕は君を汚す自分が許せない

何故 ここに自分はあるのだろう
何のためにここに在るのだろう

何も残さず自分を消すことすら
出来ない僕を君はその大地に包んで。

―僕は君に出会うために生まれた
だから君は僕に出会うために存在する―

ただ優しく揺れながら
その手に僕の身体を包んで
揺れる大地は僕を再び体内へ誘った。

2001年03月24日(土)



 二つ目のキュクロプスの話。

高い嶺の連なる オリンポスの山々の一つに
巨人キュクロプス達の住む国がありました。
キュプロスには目が一つしかありません。
でも彼にはどういうわけか、目が二つありました。
仲間のキュクロプス達は、二つ目の彼が自分たちの姿と違うので
除け者にしました。
彼はいつも一人ぼっちでした。
ある日、仲間のキュクロプスの一人が
「お前は二つも目があるなんて、人間みたいだ」
とからかいました。
それを聞いた彼は、住み慣れた山を離れ
人間達の住む町へと降りていきました。

町に来てみると、どこを見ても二つ目を持った生物が
たくさんいます。
彼は喜びました。
でも生まれて初めて見る自分以外の二つ目の生物達に、
どうしたものかと山かげからこっそり様子をうかがっていました。
するとどうでしょう、向こうから一つ目の人間がやって来ました。
その男は顔に黒い眼帯をまいていたので、キュクロプスは自分の仲間だと
思い、声をかけました。
「おい、そこの一つ目、どこへ行く」
眼帯の男は山かげから自分をのぞく大きな男に驚きましたが
これが噂に聞く巨人キュクロプスだと思い、平静を装って答えました。
「私は今から家に帰るところだ。しかし、あまりにも長く人間の中で
暮らしていたので帰り道を忘れてしまった」
それを聞いたキュクロプスは、豪快な笑い声を立てたので
辺りの地面を揺らしました。
「俺はその家から今来たところだ。お前、人間の所に住んでいたのか」
「ああそうだ」
と男は答えました。
辺りは暗くなり、二人は火を焚き近くの洞窟で一夜を明かすことにしました。二つ目のキュクロプスは、自分が何故仲間のいる国から出てきたのかを男に話すと、
あれやこれやと人間について訪ねました。
「人間は恐ろしい生物だ」
と男はキュクロプスに言いました。
「あんな小さい愚かな奴等になにができる」
キュクロプスは小馬鹿にして信じようとはしませんでした。
「そうか、信じないならそれでもよかろう。ところで
もしお前が私に家への帰り道を教えてくれたなら、俺はお前を
一つ目にしてやることが出来る」
と男が言いました。
「なんだと、そんなことできるものか。でも聞いてやる言ってみろ」
「まずは家の場所が先だ」
男に言われキュクプロスは少し悩みましたが、
教えてやりました。
「さあ教えたぞ。次はお前の番だ」
男は準備に時間がかかると言って、キュクロプスに先に眠るようにいいました。
よく眠れるように酒も与えました。
そのせいかキュクロプスはすぐに横になってしまいました。
「なぁ相棒、そういや宝物はどこに隠したっけなぁ」
心地よいまどろみの中、キュクロプスはうわごとのように
三本の川が交わる山の中と答えました。

キュクロプスが寝入ったのを見ると、男は町に飛んで帰り町中の人間を集めて
三本の川の交わる山に行き、キュクロプスの宝を奪いました。
それから町で一番強い槍を持ち、その矛を火で真っ赤になるまで焼き、
キュクロプスの眼目掛けて突き刺しました。
地獄の底から湧きあがるような恐ろしい声を上げ、キュクロプスは
叫び男を呼びました。
男は岩陰に隠れながら
「人間だ!人間が来た!」
と大声で叫びました。
見ると山のなかに、たくさんの人間達が松明を持ってこちらの様子を
うかがっているのが見えます。これは男が宝物を奪うのに集めた
人間だったのですが、キュクロプスは自分を殺しに来たのだ思ったものですから
キュクロプスは吃驚して、
「俺はこんな恐ろしい所はたくさんだ」
と叫ぶと一目散にキュクロプスの国へ帰ってしまいました。

二つ目のキュクロプスは、片方の眼がなくなって一つ目になり、
今も仲間と一緒に暮らしています。


2001年04月03日(火)



 壁の手

ふと横をみると手が生えていた。
私の部屋の壁からだ。
ノックしてみたが返事はない。
壁に大穴をあけて寒い思いもしたくないので
そのままにしておいた。
外は雨。
ジメジメする空気は重くて
カビでも生えそうな勢い。

カビ・・・

ふと壁の手を見る。
カビてはいないようだ。
そういえば生きているものには
そういったものは寄生できないという話を聞いたことがある。
じゃあ少なくともこれは
ユニークな人が、私の部屋に手を突っ込んでいる
ということになるのだろう。
脈を取って見るが、ない。
そんな気がする。
まぁいっか。
きっと低血圧か何かだろ。

夜中に何かカタカタと音がした。
なんだろうと思って
見上げたら、壁の手が揺れている。
出て行くのかなぁ〜と思ったら
手は壁の向こうに消えていった。
その日は
電気を消して寝直した。

次の日
友達にそんな話をして
ふと思い出したのだが、
私の部屋はちょうど端なので壁の向こうは
外だ。
しかも私が住んでいるのは14階。

きっとロッククライビングかスパイダーマンだったんだろう
ということになって
今も同じ部屋でこれを打っている。


2001年04月04日(水)



 自尊心とエゴ

自分にはプライドなど無いと思っていたのだが
ある日、友人にこの中で一番あるのは
ワタシだと言われてそれから少し考えるようになった。
プライドって何?
私のイメージではコウマンチキで自慢話ばかりする
ような人だと思っていたのだが
そういうことでは無いらしい。
自分の考えが絶対でそれに反発する者に敵意を持つでもないらしい。

結論として
頑固に似ているものらしい。

自分の意見を曲げなかったり
認めなかったり
何かにポリシーがあって
それに対しては正論で勝負する。
結局、
譲れない何かがあってそれを外敵から
守ろうとする
守っているということが
プライドの塊〜
ということのようだ。

自信過剰。

何かと悪いイメージで使われる「プライド」だが
他人と比較して、皮肉になったり
自己不信になったりして落ち込むより
アンタなんかには負けない!
と頑張る方が、潔く気持ちがいい。
(まぁ言われた方はえらい不愉快だと思いますが(笑))
我を通し過ぎて周りの意見を全く聞かないのではなくて
良いトコだけは認めて吸収するのが
頭の良い人になるコツでしょう(笑)

プライド=エゴっていうのもある。
傷つきたくないという思いが強すぎて
自分を否定する人を敵視してしまうということもある。
エゴで作った壁は先のミエナイ迷宮みたいなものだ。
そこに迷い込んだのは確かに壁の向こうの人だったかもしれない。
でも
そこから君を救い出し、手を差し伸べる人もまた
壁の向こう側にいる。

待ってるだけじゃ
気付いてもらえない。

せめて壁の上まで登らなきゃ
君の姿が見えないよ?
壁の下で君を見上げてる人がいるよ?

君を探している人に会うために
自分から壁の向こうに探しに行く。

自分のためじゃない。
僕を探している君のためにね!


2001年04月05日(木)



 人間横丁

根性曲がりの部屋は
随分歪んでいて
お茶を入れてもらったんだけど
注がれるお茶まで根性曲がってるから
カップに入らずみんなテーブルに落ちてしまいました。
花瓶のお花もあらぬ方向を向いているし
その部屋に住んでいるトモダチも
やっぱり曲がってしまって
何だか苦笑いな一日でした。

ちなみにお隣に住んでいるのは
「融通利かない」さんで、
お向かいには
「嘘ばっかり」さんでした。

生活するのが大変そうな町だな
と思いながら
帰り道をいそぐ。
夕やけが尾をひく
背が伸びた影法師。


根性曲がりの角を曲がれば
そこは人間横丁


色んな人に出会う場所。

2001年04月06日(金)
初日 最新 目次 MAIL

気に入った?↓

My追加