+シコウカイロ+
此花



 存在。

一人でご飯作って食べても
ドウシタ?
味覚がいなくなっちゃったよ
風邪のせいかな?

誰もいなーい家というのは
ずいぶんと静かで
無性にヒト恋しくなることもあるさ
そんな時は
意外に寂しがりやの自分を発見する

ドウシテダロウネ

嫌いな人を好きになったり
好きな人が嫌いになったり

気まぐれなだけなのかも知れないけど
それでも

やっぱり
自分の周りにある
空気のように優しく包んでくれている
この存在と言う名の暖かい人達に

感謝を込めて。






2001年03月12日(月)



 白い手

自分には
言えない言葉がたくさんある。
その大半は
相手にその事を伝えたいと言うほど関心がないということで
片付けている。
楽な生き方を選んだ。

だらだらと続く長い道だ。
関係などいづれ壊れていくからと
わざわざ放っておいて
自分で絡み付くその手を
断ち切らないでいる。

誰からも必要とされないのが怖いのか。

多分、本当に必要だと
思っているのは私なのだ。

私の深淵を覗くものがいる。
そして覗いたことを後悔するだろう。

君達を大事に思っている私もいるが
それと同じくらい嫌っている自分もいる

長く親しんだと君達は考えて
色々なものを押し付ける。
従順なる下僕を操ることに夢中。

君との境界線に聳え立つ
その高い絶壁を超えて来るなら
ここは私のテリトリー
突き落としてあげる
二度と踏み越えることが出来ないように。



絡み付いた
その白い手
引き千切って

捨てた。


2001年03月14日(水)



 予。

明日は盛大なカーニバルになるだろう。
道に人が溢れようとも 彼らはそれでもとまらない。
裏切りに気付かずに 君は笑い続けるだろう。
眠る獅子を起こしてはならない。代わりに貴方が眠ることになるから。

物凄い速さで 君は動くだろう。
そのスピードに 誰もついては来れない。追い抜くことも出来ない。
幸せなカラスが屍を荒らしに来るが、それを阻んではならない。
落とし物を拾ったら ずっと付き纏われることになるだろう。

いつもより高いところに登っていった風船が破裂したら
それは始まりの合図。動脈の流れを変えることは出来ない。
嫌いなものを呑み込んだら もう後戻りは出来ない。
チャンスは一度きりだから 逃してはいけない、人に与えてもいけない。



2001年03月17日(土)



 Best

最初から持たなければ
失った時の悲しみはない
それでも欲求が留まることはなく
ただただ欲するだけの
生物になりさがる。

君は優しくて
今の僕を否定もしなかった

ただ真実を述べて
僕の本来の姿を忌み嫌うこともしなかった。

一緒に居ることに何の意味もないけれど
ただ居心地がよかったんだ

君の声が聞こえるこの場所が。

いとおしく思えるのも君だから。
他に代わることのない君。

大切なものは扱いが難しくて
いつも自分から壊してしまう
それが怖くて
だから最初から作らなければいいのだと
君の存在を消そうともした
でも消せなかった

いずれ大人になって
君は成長する。変わって行く。
僕も変わって行く。

ただかわらずに
君の中に僕も残してくれたらいい。
そうしたら
僕も君に
いつだって“一番"をあげる

君に出会えて良かった。





2001年03月18日(日)



 真実

回る 羽の音に
夏の夜は更ける
窓から吹く涼しい風は
蒼い幻灯の中の月明かりに照らされ
薄い色をつけて
アタシの部屋に流れる
揺れる紐を
ゆらゆらと足で蹴飛ばしながら
クラシックを聴いている

アシタのアタシはどこかに隠して。

暗闇の中を目を凝らせば
そこにあるのは光のカーニバル
チカチカと変わる色彩に
いつしか夢の中へ迷い込む

キノウのアタシはまた旅に出したの。
たまに思い出の箱を荒らしに来る。

現実は遠い気がするよ
今はこの夢の中の方が真実な気がするの
ここでは繰り返されるけれど
好きなものが見えるもの
だからとっても嘘クサイけどね

偽善が横行する世の中だけど
わかってるのよ
必要だって事も。

要らないものなんて
何一つない。
いずれ君と出会うためのモノのの
全ては前座なのだから

目に見えるものだけに
惑わされないで。
君の心で感じ取るものが
君を構成する。

君を美しくする。

君が信じたいものがすべて。
それを貫くことが君だけの真実になるから。





2001年03月19日(月)



 壁の人

感情のままに突っ走ったら
周りなんて皆 吹っ飛んでっちゃうわ
ギャラリーにあとで怒られそうだけど
それは持ち前の愛想で ごまかすの

君は一本線を引いて
私と君の間に壁を作る。
安全圏から話をする君に
悪いけどその壁によじ登って話し掛けに行くわ
だってお互いに壁越しなお付き合いじゃ
見えないでしょう?君の姿。
そんなの嫌。
私は壁とお付き合いしているんじゃないのよ

でも街には
壁が溢れていて
それが当たり前になってる

でも壁のクセに生意気なのよ
チラッと 覗き窓を開けて
私のこと見て 観察するの。
独断と偏見。
そういう人は 何か横っ腹に蹴り入れたくなるじゃない?
破壊の限りを尽くして
私はまた新たな人を探しに行く。

安全圏で自分を守ることより
全てを見せて知ってもらう方が
大切なんじゃないかな。
初対面ならなおさらでしょ。
君だって私がメチャクチャ他人行儀だったら
困るでしょ
要するに、
自分が苦手だと思うことって
周りも苦手だったりするのだ。
もしも仲の良かったトモダチが
何となく遠のいている気がしたら
ここ最近の自分という人間を
思い描けばいい。
そういう人間と自分が一緒に居て
話をしてどう感じるか考えれば良い。
おのずと答えは見えてくるはずだ。



2001年03月20日(火)



 

川の流れに ゆらゆらと

灯篭の明かりが反射する

波間を 揺れる送り火は

迷わないように 道を照らす案内人

遠い時に生きた方々

どうぞお気を付けて お帰りくだしゃんせ

町明かりに薄ぼんやりと

ほのかに広がる友愛に似た

優しい気持ちが

町を揺れて流れる 夜






2001年03月21日(水)
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