 |
|
■■■
■■
■ 「同じことをするんだよ…君たちと」(Ｗ�将靴茲蝓�
今日は、劇場版機動警察パトレイバー第３作「Ｗ�将掘廚隆響曚鮟颪�たいと思う…が、まだ未公開の映画ということで、ネタバレする可能性がある。一切のネタバレがイヤな人は、ここで戻ってほしい（昨日の日記でも少し内容には触れているが、事前に公開されている情報にしか触れていないつもりだ）。ネタバレする内容はフォントカラーを背景色と同じにしておくので、大変申し訳ないが、見たくない人は今日の日記はマウスドラッグしないでほしい。
覚悟はよろしいか？ では…。
まず、事前に雑誌などで言われていた「今回の主役は特車隊ではない」というのは、賭け値なく本当。それも前作のように「隊長の出番ばかりだ」というのではなく、特車隊自体がほとんど登場しないのだ。クライマックスの１３号とのアクションシーンを除けば、おそらく特車隊の隊員が登場するシーンは５分にも満たないだろう。しかも（通りすがりのチョイ役みたいなのを除けば）まともに台詞があるのは後藤隊長しかいない。冒頭で製作者は「友情出演／特車隊みたいな感じです」とコメントしていた。
話自体は、コミック版の「廃棄物１３号」のストーリーをベースにしているが、細部はかなり違う。
まず話の中心である怪物「１３号」の印象がかなり違う。「１３号」は原作よりも「人間を捕食し、殺戮を繰り返す化け物」という側面がクローズアップされている。さらに、原作では「１３号」と戦うために「パトレイバー」という武器があるが、Ｗ�将靴任呂修痢屮僖肇譽ぅ弌次廚�最後まで登場しないため、相対的に「１３号」は「手におえない化け物」になっている。
しかしもっと大きな違いは、原作版で重要な役割を果たしていた「西脇冴子」という人物が登場しないことだろう（名前のみ設定が変更された、というわけではない。現に「ニシワキ・セル」はちゃんと登場する）。この違いが、大きな伏線となっている（正直、劇場版の展開で一番意外だったのはここだった）。
ただ、これまでのパトレイバーの手法を踏襲していると思われる部分もあった。特に物語の大半を占める、二人の刑事が足を使ってえんえんと捜査を続ける場面は、劇場版第１作の松井警部たちをほうふつとさせる。というより、監督が代わり押井監督ではなくなった今作においては、この手法はこれまでのパトレイバーシリーズへの意図的なオマージュなのではないか、とさえ感じられた。
そしてこれまでの劇場版と同様に、２人の刑事の捜査とはまったく異なる形で、特車隊も平行して自分たちの役割を全うしている。
言うなれば、これは「原作とは違う視点（つまり特車隊ではない視点）から見た、もう一つの『廃棄物１３号』の物語」なのだ…。
警告！ この先、ネタバレ度高し！
警告！ この先を御覧になる方は覚悟の上で！
…そして、物語は異なる視点のままクライマックスへと到達する。ここで原作との最大の相違点が浮き彫りになる。登場人物たちにとって「１３号」に比肩し得る最大の「武器」は、「パトレイバー」である。そしてそれは「この物語の主役たち」のものではない。そして、原作ではマスコミにさえ明かされていた「事実」も、Ｗ�将靴砲�いては最後の最後まで、一部の人間以外には明かされることはない。
劇場版Ｗ�将靴離�ライマックスを支配するのは、無力感なのだ。
原作で「１３号」と戦うためにひたすら必死に頑張っていた野明たちと裏腹に、「Ｗ�将掘廚亮臾鬚燭舛蓮▲�ライマックスではひたすら何もできない。勝敗の結末は彼等の手を離れ、そして…。
物語の結末は、誰にとっても不本意なものとなった。
恐らく、笑った者は誰もいない。
勝った者も、誰もいない。
主人公も、特車隊も、そして「敵」たちも。
それがＷ�将靴諒�語。
ハッピーエンドがお好きな方には、お勧めしない。最後に白黒決着がつく物語が好きな方にも、お勧めしない。ついでに、痛快ロボットアクションが好きな方にも。
だが、これはパトレイバーの物語である。まぎれもなく。もしかしたら前２作よりも。なぜならこの結末は、パトレイバーが存在するがゆえの結末だから。パトレイバーなしには、この物語は成立しない。なぜならこれは「もう一つの視点から見たパトレイバー」だから。
その意味において、これは紛れもないパトレイバーなのだ。
キャラクターではなくパトレイバーの「世界」が本当に好きな方。古き良き怪獣映画にロマンを感じたことがある方。そしてハッピーエンドだけではない「良質の物語」を欲しそれを理解できる方には、是非一見をお勧めする。
今日の科白。
「全部筋書き通りというわけか…」
「最初から…焼き殺すつもりだったなっ！！」
〜機動警察パトレイバー劇場版「Ｗ�将掘廚茲蝓�
2001年11月02日(金)
|
|
|
